空飛ぶ車を実現するために解決すべき3つの問題
どんもっす。
皆さん、これらの記事をご存知でしょうか?👇
世界初の空飛ぶクルマがいよいよ2017年に発売 : ギズモード・ジャパン
空飛ぶ車が、いよいよ実現!!
おお~、ついに近未来か~、と感動しております。
んが、空飛ぶ車の画像を眺めているとこんな感情も出てきます。
「小型セスナ機と何が違うの??」
「空飛ぶ車って何が凄いの?」
と。
相変わらず夢のないブログでごめんなさい<(_ _)>。
空飛ぶ車が実現するのは良いことだと思うのですが、あんまり凄い技術を使っているわけでもなさそうなんですよ。
この記事の空飛ぶ車も、既存技術を使っているだけで、なんだかな~って感じです。
なぜ、私が落胆しているか?
ご説明しましょう。
そもそも、皆さん、空を飛ぶには以下の三種類しかないことをご存知でしょうか?
①翼の上下を通る空気の流れの違いから、揚力を受ける ⇒ 飛行機
②プロペラ回して、揚力発生 ⇒ ヘリコプター
③空気の分子を叩いて、飛行 ⇒ 鳥
①と②は機構が異なるだけで、厳密には同じです。
俗にいう、ベルヌーイの原理を応用して飛んでいます。
③は我々人間が地面を歩くのと同じ原理です。
作用反作用ですね(ヘリコプターはこちらだという説もあり)。
地面を足で押すと、地面が押し返してくるので、我々は歩けます。
鳥は、羽で空気を押しており(叩いている)、反対に空気から押されているので空を飛べます(滑空したりするのは、ベルヌーイの原理)。
ロケットも同じ原理です。
※空気の分子は密度が恐ろしく小さいので、作用反作用の効果がものすごく小さいです。
我々人間も、物理的には空を飛ぶ(あるいは水の上を走る)ことは可能ですが、現実的には不可能です。
鳥さんは、見た目に対して体重が軽かったり、羽が大きかったり、流線形のボデーだったりして、飛ぶのに適した進化を遂げているので、飛べます。
これ以外に方法はありません。
良く、映画なんかで「ブオン」という謎の効果音とともに、車がその場で飛んだりしますが、あれは物理的には不可能です。
技術云々は関係ありません。
どれだけ技術が進んでも、あの謎の飛び方は不可能です。
大体飛ぶ理由として、「反重力物質」なんていう謎の、地球上には存在しない物質が使われていたりしますが、しょせんSFの世界の話です。
今回車会社が躍起になって開発している「空飛ぶ車」は①の原理を利用しています。
飛行機と同じ原理ですね。
「何ら新しいことやってなくね?」
というのが私の偽らざる気持ちであり、落胆している理由でもあります。
各社が開発&構想している画像を見ると、まんま小型セスナ機…。
画像見てると、もう小型セスナ機を改良したほうが良くない?
って思います。
何が違うんだ?
車会社が飛ばそうとしている車には、原理的に翼が必要です。
んで、どうやって飛ぶかというと、滑走路を加速して翼に受ける揚力を増やして飛びます。
飛行機と全く同じです(当然です)。
ただ、小型化されただけです。
小型化されたのが凄い?
小型セスナ機がすでにあります。
というか、小型セスナ機と空飛ぶ車の明確な違いって何なんでしょうね?
飛行機も、セスナ機も、空飛ぶ車も、原理的には同じで、タイヤも翼もエンジンも必要です。
飛行機と車の違いは、翼の有無と空を飛ぶか飛ばないか、実はこれだけです。
車に、翼ができて空を飛んだら??
それってもう飛行機じゃない?って思います。
そこに既存の技術にはない、新しい技術が使われており、その技術により空を飛ぶのなら私も感動しますが、今までの技術の延長なんです…。
厳密には、小型の飛行機は幾らでもあるし…
ううーむ、ですね。
まあ、空飛ぶ乗り物が身近になるのは悪いことではありません。
んが、世間一般には普及しないでしょう。
空飛ぶ車が実現するために超えるべき障壁について考えてみたいと思います。
※ここでいう実現とは、世間一般に普及することを言います。ただ1~2台飛ばすだけなら何ら問題はありません。
私が考えたところ、以下の三つをクリアしなければ実用化はしないと思われます。
・滑走路及びエネルギーチャージ問題
・航空法的問題
・政治的問題
一つ一つ見ていきましょう。
①滑走路及びエネルギーチャージ問題
これは、土地の問題ですね。
昨日の記事でも触れましたが、どれだけ科学技術が発達しても、車がいきなりその場で「ブオン」と飛ぶようなことはありません。
今現在の翼機構で飛ぶのであれば、どうしても滑走路が必要になってきます。
そうすると、滑走路をどこに作るか、というのが非常に問題になってきます。
車体重と翼の比率にもよりますが、相当な加速を必要とします。
さらに、離着陸時に障害物となるものが存在してはいけません(信号とか、電線、他の車とかね)。
なので、新設する必要があります。
当然、エネルギーチャージできる場所の確保も必要です(空中でガソリン給油は不可能なので)。
都市部で、大多数の車が押し寄せる滑走路を造るには相当広大な面積が必要になります。
これをどこに作るのか、例えば日本であればいくつ作るのか、難しい問題だと思います。
数が少なすぎると、逆に不便ってことになりかねないですからね。
②航空法的問題
法の整備をどうするか、という問題。
安全をどう確保するのか、というのは非常に重要です。
これ、今現在どこかのお偉いさん方がなんらか話し合っているのでしょうか?
ドローンでさえ対策が後手後手になっているので、とてもじゃないですが、法整備は間に合わないでしょう。
空を飛ぶ=物理的な障壁を超えることができる
ということです。
空には当然道もなければ、信号もありません。
ガードレールもカーブミラーもありません。
運転誤って、民家に墜落とか、対向車?と激突なんて日常茶飯事になります。
今まで、地面を走っていた場合は、まだ物理的な障壁があったので、多少のセーフティが効いていました。
空を飛ばれると、そのセーフティが全く効きません。
今までは、外に出なければ交通事故には遭わない、というのが常識ですが、車が空を飛びだすと、家の中にいても交通事故に遭う可能性が出てきます。
この辺は、もっと科学技術が進むことにより解決はできそうです。
例えば、自動運転システムが完備されて、勝手に障害物をよけたり、燃料が少ない状態であれば、飛べないシステムになったり…。
いずれにしろ、空を飛ぶ車よりも、車の全自動化を先に達成したほうがよさそうです。
③政治的問題
個人的にはこれが一番大きな問題だと思っています。
所謂、国境問題ってやつですね。
日本は島国で、難民もほとんど受け入れていない「のほほん」とした国なので強く意識することはありませんが、他国は国境問題でもめにもめています。
②でも述べましたが、空を飛ぶということは物理的な障壁を乗り越えられるということです。
これは、陸続きになっている国々からすれば、相当脅威です。
なんせ、不法入国を防ぐことができません。
空全域をカバーするなんて不可能です。
例えば、北朝鮮にこんな車が大量に入荷されれば、脱北する人々は爆発的に増えるでしょう。
メキシコからアメリカに不法入国する人々は現在ですら後を絶ちません。
こんな車が日常的になったら?
もちろん、国境付近である程度の監視は可能でしょうし、レーダーなんかで察知してなんらか対応可能でしょう。
ですが、全てに対応するのは不可能です。
この世の中には、多少の危険を冒してでも、今の生活を変えたいという方々は幾らでもいます。
我々がそう思わないのは「恵まれている日本人だから」です。
今、クロアチアの難民問題がクローズアップされています。
が、別に難民問題は今に始まったことでもなく、また21世紀中には解決されない問題でもあります。
空飛ぶ車が実現して、色んな所で車が空を飛びだすと、こういう難民たちも簡単に国外へ逃げ出すことができます。
そうなれば、世の中は大混乱を起こします。
このあたり、技術者たちはどう考えているんでしょう?
我々日本人は、島国に住んでおり、本当に恵まれていると思います。
空飛ぶ自動車ができても、燃料の問題などで日本に直接やってくる人は相当少ないでしょう。
ですが、世界の情勢は混沌としています。
ネットが整備されて、情報が世界を駆け巡るようになりました。
空を飛ぶことが日常的に可能になれば、物流も大きく変わるでしょう。
そうなる前に、世界には解決すべき問題が山ほどあります。
技術的な問題ではなく、貧困や宗教といった我々人間の根本的な部分において、ね。