小保方晴子氏の博士号剥奪が、世界史の未履修問題と同じ件
http://sharetube.jp/article/1896/どんもっす。
「STAP細胞はありまぁす!」事件で一世を風靡した小保方さんのSTAP細胞問題。
未だにニュースなどでも、小保方氏のその後の処分などについて取り上げられてますね。
で、今現在は小保方さんの博士号をはく奪してしまえ!ということで世間が盛り上がってます。
2008年3月に早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程を修了
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2011年4月から2013年2月まで理化学研究所にてSTAP細胞の研究に取り組む
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2014年1月末にはSTAP研究を発表し、「リケジョの星」「ノーベル賞級の発見」として一躍時の人となるが、STAP論文や博士論文において様々な研究不正の疑義が発覚
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2014年10月7日、早稲田大学は調査委員会の結論を受け入れず小保方の博士号を取り消すと決定した。ただし、論文の指導および審査過程にも重大な欠陥があったとし、1年程度の猶予期間が設けられ、その間に小保方が再指導・再教育を受けたうえで論文を訂正・再提出し、これが博士論文としてふさわしいものと認められた場合には学位を維持する、としていた
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早稲田大学は11月2日、一連のSTAP細胞論文問題を受け昨年12月に理化学研究所を退職した小保方晴子氏の博士号取り消しを決定した
↑いまここ
ウィキペディアより一部抜粋したので、正しい情報かどうかは知りませんが、概ね流れはあっていると思います。
私は、当時この事件そのものについては全然興味がありませんでした。
生物学は専門外だったし、STAP細胞の凄さなど全然分からなかったので、「へー、凄い発見があったんだ」くらいの認識でした。
その後の不正発覚にしても、大して興味なし。
不正なんてどこの世界にもいくらでもあります。
政治の世界なんて不正だらけだし、嘘つきは政治家の始まりということわざもあるくらいです。
小保方さんの場合はノーベル賞級だったので、世界に与えるインパクトが大きかったというだけの話。
但し、今回の小保方氏の博士号撤回については非常に興味があります。
というか、納得がいきません。
一年間の猶予を与えられて、小保方さんは博士号取得のための論文を再提出しています。
その内容は世間には公開されていませんし、私も見ていません。
見たところで、学術的に価値があるのかどうかは私にはわかりません。
んが、担当教諭含め、数名の大学教授が「立派な論文である」と認めているんです。
これだけの騒動があった後ですから、精査を行った方々は相当慎重に論文を読んだことでしょう。
それでも、立派な論文であると認めているのだから、小保方さんの博士号撤回は白紙にするのが筋というものでしょう。
ですが、早稲田大学は博士号撤回をやめなかった。
小保方さんは博士号をはく奪されてしまいました。
結論としては、早稲田大学はひよったなということですね。
自分たちで意思決定能力を持たず、完全に社会の風潮に流されています。
小保方氏の再提出された論文についても、どこが駄目なのか全く言及されていません。
日本の私立大学の雄がそんなことでどーするよ!って思います。
今回の件については本当にがっかり。
記事の中でも、この問題の本質はどこか?とありましたが、私が考えるこの問題の本質は以下の二つ
1.論文などの学術的な価値をどう決めるのか?
2.以前にあった世界史の未履修問題と同じ
1.論文などの学術的な価値をどう決めるのか?
小保方さんの論文が認められなかった理由が、学術的な価値がなかったからと仮定します。
というかそれ以外に論文を認めない理由はないです。
コピペしまくった論文も認められない理由は、おおざっぱに言って学術的な価値がないから、です。
しかし、そもそもの論文の学術的価値はどうやって決めるのでしょうか?
早稲田大学は、その辺きちっと説明できるんでしょうね?
できた上で、今回の博士号はく奪を決定したんですよね?
私は学術的価値を他人が決めるのは不可能であると思っています。
その時も私は自分のブログの記事中で、どうやって研究の価値を決めるのか?ということについて触れました。
はっきり言えば基礎研究なんて、やってる本人たちでさえ研究する意味や価値があるのかどうか、はっきりとは断言できない部分があります。
その研究が成功するのかどうか、将来的に実用化されるかどうかは断言できないからです。
運よくノーベル賞といった権威ある賞などにつながったりすればよいですが、そんなものは極々稀。
30年以上コツコツ地道に実験を続けても、日の目を見ない研究テーマなんて幾らでもあります。
ましてや、博士号を取得するために費やせる時間は、博士課程は2年と半年しかないため、通常2年間です。
残りの半年は論文書くのに取られます。
しかも、日本の博士を目指す学生なんて相当冷遇されており、それまでの学生生活の奨学金を返済するため、あるいは生活費を稼ぐためにアルバイトをしないといけない学生も大勢います。
そのたった二年間で、学術的に価値のある研究成果を出し論文を書くのは非常に困難です。
というよりも、一部の天才と呼ばれる人間以外ははっきり言えば不可能です。
今回、小保方さんの論文を精査した武田教授の記事中の言葉を引用します。
「学生は半人前であって、指導教官が指導するのが仕事。採点にミスがあったら教師が謝り、本人に被害が及ばないようにするのが学校の責任。採点が間違っていたという理由で、後で取り消されたら、学生の人生が狂ってしまう。私たち博士論文を審査している教授の間では、今回の早稲田大学の措置を“あり得ない”と言っている。名古屋大学のある先生は、『論文を読んでないとしか言いようがない』と言っていた。早稲田大学は逃げただけだ。このままでは日本の教育はダメになる。早稲田大学には、学問の府としてのプライドを持ってほしい」
これ、本当にその通りだと思います。
指導教官が指導して、責任をもつのは指導教官であるのが筋であり、多くの教授が小保方さんの論文を認めているのであれば、博士論文として認めるべきです。
今回のこの早稲田大学の措置を正しいものだと認めてしまったら、学術的な価値云々言っていたら、ほとんど全ての論文が今後通らなくなってしまいます。
それくらい、学生時代に意味のある論文を書くのは難しいことなんです。
日本の学生の理系離れがこれ以上進まないようにするためにも、このような早稲田大学の対応を許すべきではないと私は思います。
2.世界史の未履修問題と構造が同じ
何年か前に、やっていたこの事件。
皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか?
とある高校で、高等学校の必須科目であるが、大学の入試科目ではなかった世界史などを履修させてなかったというもので、その後多くの高校で同様のケースが見つかりました。
現役の高校生に対しては、短時間での履修やレポートを後付けで出すことによって通常通り履修したものとして単位を認めました。
そして、既に卒業している者に対しては、一度は卒業単位取り消しの話がでましたが、不問ということに。
厳密には、必須科目を履修していない方は、高校中退です。
当該高校を卒業したことにはなりません。
が、この問題はあまりにも影響範囲が大きいので、うやむやになりました。
構造がもうね… 同じじゃないですか?
監査の役割を果たすべき機関が全くその役目を果たしておらず、現場のことを全く知らない権威のある方々が大騒ぎして、慌てて現場で対応を迫られる。
そして、被害を受けるのは何の罪もない学生たちです。
今回の件で言えば、小保方さんに何の非もないとは言いません。
データをコピペして論文として提出するのはあまりにあまりな話。
しかし、大学側も一度は博士論文として受理しているわけです。
それを今更蒸し返してきて、大学側の提示してきた条件を満たして論文を再提出したにもかかわらず、博士号はく奪。
お偉いさん方は何が問題かもっと良く考えてほしいですよね。
早稲田大学の件も、高校未履修問題も、後からわーわー騒いでよくわからん対策をとるぐらいなら、最初から監査を徹底しろよ!って思います。
そういえば、何年後かにセンター試験のがガラッと変わるとか。
二回に分けて行い、考える力を養うテストを行う予定とか…。
無理でしょ?
地方の多くの進学校で、上記のように不必要な科目は履修させず、大学受験に必要な科目を重点的に教えるというようなことをやっていたんです。
これで、試験回数がさらにもう一回増えたら…
どうなるかはご想像にお任せします。
この国の権威の方々は、過去の重大事件から何も学びませんよね。
あるいは、忘れるのが非常に上手い。
恐ろしい国だ。
併せてこちらの記事もどうぞ👇
syaa-sennnyou-neko.hatenablog.com
2016/07/25追記
STAP細胞の初期状態はあったとのこと👇
http://sharetube.jp/article/1896/
この記事が本当なら、今頃早稲田大学は後悔しているに違いない。
撤回しなければよかったってね。
早稲田大学にとって不幸中の幸いなのは、小保方さんが早稲田大学を卒業していて、その分は認められていること。
撤回されたのは大学院分。
これで大学分も撤回されていたら、早稲田大学の学長はすげ替えでしょう。