テロ事件に対するもやもやが、日体大の集団行動を見てすっきりした
どんもっす。
動画はこちら👇
忙しい方も、開始3分までと、00:09:00~00:10:40の部分見てください。
それだけで十分凄さが伝わります。
マジなんなん?
こいつら、ピクミンか?
いや、ピクミンのこと、そんな知らんけど。
何が凄いって、一糸乱れぬ行動もさることながら、身長がかなりバラバラなんですよね。
しかも男女合同。
歩幅も手のふり幅も歩くスピードも、通常ならば相当ばらついていると思います。
加えて、回れ右のタイミングや、斜めに進路を変えるときの角度、走るスピード、動き出しのタイミング等々、揃えないといけないことは無数にある。
それを訓練でこうまで揃えるとは…
凄すぎる!!
いや~。
初めて見たとき、感動して私まで泣いてしまいました。
訓練で人ってこんなに美しく動くことができるんですねー。
孫子の兵法を書いたとされる天才軍師です。
※孫氏の兵法自体はのちの孫臏(そんぴん)の作とする説もあるようです。
この孫武が仕えたのは、呉の国、闔閭(こうりょ:人名)の時代。
呉は、呉越同舟のエピソードで知られる国。
越の国とは当時最大級に仲が悪かった。
また、闔閭とは臥薪嘗胆のエピソードで知られる呉の国の王、夫差(ふさ:人名)の父親です。
闔閭が越の王、勾践(こうせん:人名)に滅ぼされたとき、夫差は毎晩臥薪(まきの上で寝ること)することで、越への復讐心を絶やしませんでした。
これが臥薪嘗胆の臥薪の部分の誕生エピソードです。
嘗胆(苦い肝をなめること)は勾践のエピソード。
んで、闔閭と孫武の話。
「宮中の婦人を使って、軍隊の調練はできるか」
「できます」
孫武は即答します。
そして、闔閭の寵姫二人を隊長に任命して、宮中の婦人たちに訓練を施します。
ところが、孫武がいくら命令したところで婦人たちは笑い転げるだけで、ろくに命令を聞きません。
当時は女性が戦場にでたり、調練を受けることはあり得ないことだったので、皆真面目には命令をきかなかったんですね。
闔閭もふざけ半分で聞いてみただけだったので、当然の結果。
ところが、孫武は
「軍が真面目に動かないのは、隊長の怠慢のせいだ」
と吐き捨て、闔閭の制止も振り切って、一刀のもとに闔閭の寵姫二人を切り捨てます。
そして、新たに二人ほど隊長に任命して同じことをさせました。
そうすると次は我が身とばかりに女性たちは震えあがり、命令をきちんとこなすようになりました。
こうして孫武は最強の軍隊を作り上げていったのです。
※実際に女性陣が戦場に出たわけではありません。
孫武の軍隊の作り方がこのように徹底していたという有名なエピソードです。
もう一つ、秦の始皇帝の時代。
秦の始皇帝は皆さんご存知のとおり、中国を史上初めて統一した王です。
これ、別に始皇帝が凄いわけではありません。
秦の国が中国を統一できた理由は、商鞅(しょうおう:人名)という天才的な軍略家がその100年近く前にいたからです。
商鞅は秦の国を最強の国家に仕立て上げるために、行き過ぎともいえる政略をしきます。
そのおかげで富国強兵が進み、始皇帝の時代に中国統一できるようになったのです。
ちなみに、商鞅は自身が作った法により処刑されます。
法も行き過ぎると弊害を生むってことですね。
私は中国の史記や戦国策が好きで、良く読みます。
上記のようなエピソードはそれほど珍しいわけではなく、天才と呼ばれる軍略家たちは軒並み同じようなことをやって、国を強くしています。
で、度々疑問に思っていたことが、
「そんなに、軍事調練で差ができるのか?」
ってこと。
んで、日体大の集団行動を見て思ったのが、
「なるほどね」
ってこと。
確かに、こんなに一糸乱れぬ行動をとる相手に対して、ろくに訓練もしていない軍隊が激突したら、訓練してない方はあっさり負けるだろうなぁと。
別に、日体大の集団行動は、敵と戦うことを想定していたり、軍隊的なことを目的としているわけではないですが、一つの行動で大人数が一斉に動くということがどんなに凄いことか、動画を見て理解することができました。
ここからが本題、というか考えたことなんですけど、やっぱり教育と訓練って非常に大事ですよね。
幼少期からの訓練次第では、価値観を完全に造りだしたり、操作することができる。
日本の戦争の神風特攻隊も、最近起きたフランスでのテロ事件でもそうですけど、教育と訓練次第で、人って簡単に命を捨てることができるようになるんですよね。
悲しいことに。
もちろん、その逆も真で、教育と訓練次第で何が正しいことか自分の頭で判断できるようになるし、自分の身を守ることができるようにもなる。
例えば、テロ行為がいけないことだと教えることは簡単だけど、じゃあなぜテロ行為に及ぶのか、ということまで自分で考えて調べて判断できるようにする教育を施すのは非常に難しい。
でも、それって我々大人の責務であるし、我々大人自身も考えないといけないことですよね。
私自身、テロ行為は当然に容認できません。
被害に遭った人たちのことを考えると、許していいわけがないです。
が、テロに及ぶまでの歴史的背景や宗教的価値観を考えると、途端に思考が鈍りますし、安易に批判できません。
同じ立場で、同じことをしないと断言できないから。
資本主義で、最も平和と言える日本のこの時代に生まれただけで、恐らくは過去のどの時代のどの国の方々よりも平和で安全に暮らせます。
そんなのうのうと生きている私が、資本主義の恩恵を受けている私が、過去の犠牲の上に成り立っている生活を享受している私が、安易にテロを批判して言い訳がない。
最近、フェイスブックなどでもフランスの国旗を掲げているコンテンツをよく見ますが、皆きちんと考えているのかな? って思います。
漫画:ワンピースの魚人島で、人間たちに迫害を受け続けた魚人の王妃オトヒメが、魚人たちにこう言います。
「あなた達の心の叫びは痛いほど伝わってきます 辛いでしょうけど、その人間達への怒りを…憎しみを子供達に植え付けないで 彼らはこれから出会い…考えるのですから!!」
そして魚人海賊団の長、フィッシャータイガーはこう言います。
「誰でも平和がいいに決まってる!! だが本当に島を変えられるのはコアラ(女の子のキャラ)の様な何も知らねぇ次の世代だ!! この世にゃ心の優しい人間達はいっぱいいるんだ! そんなことはわかってる! なのに…死んで消えゆく者達が! 恨みだけこの世に残すなんて滑稽だろう!!」
最近のテロ事件を見て、ずっともやもやしていたものが、日体大の集団行動を見ることでようやく一つの考えに到達できました。
ああ、これなんだと。
これこそが重要なことなんだと。
別に徹底した教育や訓練が必要というわけではありません。
ただ、教育と訓練次第で、人の心は幾らでもコントロールできるということです。
そして、今生きている我々ではこれだけこじれた世界の情勢を変えるのは不可能です。
それができるのは、まだ生まれていない次の世代。
それはひょっとしたら、次の次の次の次の世代になるかも知れません。
我々大人ができるのは、次なる世代の教育と訓練です。
次の世代が何を見て、何を考えて、どう行動するのか…
そのカギを握っているのは我々です。
ワンピースのオトヒメはこうも言ってます。
「障害があるならばみんなでぶつかりましょうよ! そうすれば魚人島の子供たちの生きる未来が…少しだけ…変わるかもしれない!!」
テロ行為を容認しないように教育するのは大事。
でも、なぜそんなことが起きるのか、教えることはもっと大事。
そして、テロが起きない世界にするにはどうすればいいか考えられるようにするのは最も大事。
子供たちにどんな未来を提供できるようになるのか…
ただの事実を伝えるのか、憎しみを伝えるのか、一方からの情報を伝えるのか…
自分で考えて判断できるように教えるのか、何も教えないのか…
我々大人の責務は大きいです。