青野九段が考案した3×3の9マス将棋がとんでもなく奥が深い
どんもっす。
青野九段が3×3マスの合計9マスで行う将棋を考案されました
Youtubeでの商品紹介ページがこちら👇
2016/08/25に発売予定のこの将棋、相当奥が深いです。
通常の将棋は9×9の81マスで行うため、この9マス将棋の規模は1/9。
そのため、駒の動きなどが大きく制限されます。
角はほとんど動き固定で、桂馬に至っては一択です。
斜めに飛んで成るだけ。
加えて、玉同士が最も離れた状態であっても、一手動かしただけで相手玉の範囲に入ってしまい負けてしまいます。
それだけによく考えて動かさないと速攻で終了します。
この将棋のルールは以下の通り。
・王(玉)、金、銀、飛、角、桂、香、歩の中から、三つの駒を選ぶ
・初期配置は40通り
・相手陣地の一段目に入ると、成れる
・その他の基本ルールは通常の将棋と同じ
重要なのは、初期配置が決まっていること。
その配置が40通りあって、使われない駒もあること。
初期配置が決まっているのは納得です。
だって、
こんな配置だったら、先手が100%勝ちます(先手は手前側)。
こんなの、将棋でもなんでもありません。
先手取ったもん勝ちなんてシャレになりません。
この9マス将棋の何が凄いって、9マスという限られた枠の中なのに、手数が滅茶苦茶あること。
皆さん、9マスの勝負事のゲームって他に何を思い浮かべますか?
そう〇✕ですね。
ところが、〇✕は恐ろしいほどに底が浅い。
〇✕は
・先手が圧倒的に有利
・先手、後手ともに最適手を取った場合、必ず引き分けになる
・後手が勝利するには、先手の舐めプ(相手を舐め腐ったプレイ)が必要
〇と✕だけなので当たり前と言えば当たり前ですが。
将棋はそうではないのですよ。
この9マス将棋を見て、改めて将棋の奥の深さを思い知らされました。
定跡と呼べるものがないのもいいです。
通常の本将棋であれば、定跡を知っているか知っていないかが勝負のカギを握ります。
相手が知らない定跡で攻めれば、例え棋力で負けていたとしても、勝てます。
定跡を全て網羅するのにはかなりの勉強時間を要し、アマチュアの初段レベルが必要になってきます。
結構ハードルが高いです。
でも、この9マス将棋であれば定跡不要と思われますので、純粋な棋力の勝負ができます。
これは中々嬉しいです。
対象者は初級者、中級者、上級者となっており、プロの棋士でさえうなる局面があるとのことですが納得です。
詰将棋としても力を発揮します。
すげぇな、9マス将棋!
さすがは青野九段!
というわけで、CMなどで紹介されている初期配置を一部ご紹介させていただきます。
これとか、一見同じ配置で先手有利に見えますが、そう単純でもなさそうです。
なんせ、コマを動かしたら100%取られてしまうので、一手目は相当難しいです。
銀を左斜め前もしくは前に動かしたらその時点で先手の負けです。
なので、初手は歩を突くか、銀を右斜め前に進めるか…
どちらの手に対しても、後手は銀で応じるしかありません。
初手歩を突くのであれば、実はそのまま先手の勝ちですが、初手銀を動かしたらその後はかなり難解な局面になります。
こうなります(手番は先手)。
ここまで来るとかなり局面は難解。
先手後手ともに多くの手があるでしょう。
別の初期配置。
これも初手が非常に難しい。
当然玉は動かせません。
飛車か歩か…。
歩で突くだけでは、玉か角に取られてしまいます。
飛車が突っ込んだら角は取れますが、反対に飛車を相手玉に取られます。
飛車を一歩進めるだけでは、王手になりません。
この場合、後手側に王手をとる権利を与えることになり…とちょっと考えただけでも相当な局面が生まれます。
これらの配置とかすごくないですか?
玉の位置関係に注目です。
特に最初と二番目は、玉同士の位置関係が逆転しています。
俗にいう、「入玉」した状態でのスタートってことです。
すげえぇ。
初手どう打ったらいいのか、全然わかりません。
上述しましたが9マスしかないので、必ずしも先手が有利にならないように出来ているんです。
凄すぎます。
というわけで、見た目に反してとてつもなく奥が深い9マス将棋。
将棋好きであれば、ぜひとも購入を検討してみてください。