シャア専用ねこのブログ

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タンザニア旅行記① ~発展途上国が発展しないわけ~

どんもっす。

 

キリマンジャロに登ってきたついでにタンザニアの町(アリューシャ、モシ)を、ほんのちょっとだけ観光したのですが、その時に感じたことを記載しておきます。

 

タンザニアの基本データ(2016年のもの)

【人口】55,570,000人

【面積】954,087㎢

【首都】ドドマ (機能上、実質上はダルエスサラーム

【経済】平均年収50万程度 (中心はダルエスサラーム

【言語】スワヒリ語、英語

【平均寿命】65歳

識字率】80%

【通貨】タンザニア・シリング

【経済成長率】6.9%

 

最大の都市であるダルエスサラームには行っておらず、第二の都市であるアリューシャと、モシという街を観光してきました。

 

 

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キリマンジャロ国際空港を一歩出たら、そこはもう大自然が広がっています。

 

 

ダルエスサラームには行ってませんが、他のブログ記事などを読んでみると似たり寄ったりだと推測されます。

一言で言うと、発展途上国がいつまでも発展しない理由がわかった感じです。

とはいえ、タンザニアは2000年以降、経済成長率6%台をキープしているため、途上国ではまだましな方かも。

平均寿命も年々向上し、20年前までは50歳程度だったのが、近年では65歳まで伸びているので、改善は著しいです。

が、街を歩いた感じでは、全然発展している感じがしなく、むしろチグハグな印象を受けました。

 

※以下は、実際にタンザニアという街を歩いて感じた、私の推測によるものです。

 

タンザニアが発展しない最大の理由 

いくつかあるとは思いますが、私が感じた最大の理由はとにかく動線が悪いこと。

これに尽きます。

日本と比較して考えると、タンザニアの国土面積は日本の約2.5倍なのに対して、人口は1/2.5です。

単純計算で、人口密度が日本の1/6程度であるということになります。

最も発展しているダルエスサラームに1割の人口が集中しており(東京と似ていますね)、残りの人口が広い国土に散らばりすぎている、これが最大の理由であると今回の旅を通じて感じました。

 

 

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↑点在する民家。

この写真からはわかりませんが、果てしなく縦方向に自然が広がっており、そこにぽつぽつと民家が建っています。

隣の家が、数km離れている感覚。 

 

 

街から街への移動にあまりにも時間がかかりすぎており、移動区間中は何もありません。

今回の旅行では、ホテルに泊まるために隣町へ移動し、空港行くために隣町へ移動し…ということを繰り返していましたが、そもそも隣街へ移動する必然性が全く感じられません。

街には非常に無駄な空間ばかりが存在し、スッカスカな印象を受けます。

街を統一して、もっと密集して経済活動を行うことは十分に可能なはずですが、それが行われていません。

 

なぜか?

それはタンザニアが車社会であるからだと、私は推測しています。

 

タンザニアの一般市民に、先進国の新車を買う経済的な余裕はありません。

平均年収からすると、日本において不動産を購入するのと同等かそれ以上の負担でしょう。

なので、タンザニアには中古車しか走ってません。

特に、日本からのおさがりが滅茶苦茶多いです。

福祉施設〇〇」とか、「〇〇専修学校

と書かれた車がそこかしこに走っています。

先進国で、20~30万km以上走った車が、タンザニアに格安で売られているからです。

タンザニアでいくらで売られているかはわかりません(非常に安いはず)が、日本ではお金を払わないと引き取ってくれないような車が、タンザニアではビュンビュン走ってます。

そんな車ばかりなので、車検という概念も恐らくないでしょう。

なので、タンザニアでは車を所有したら維持費がほとんどかからないと推測されます。

土地も余りまくっており、皆そこら中に車止めてます。

かかるのはガソリン代くらい。

実際、タンザニアの町で一番目にしたのは、ぶっちぎりでガソリンスタンドでした(次点で銀行)。

コンビニなんてもちろんありません。

日本で言う、昔ながらの駄菓子屋のタンザニアVer.みたいなのがぽつぽつとあるくらいです。

 

 

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↑恐ろしいほどよく見かけるガソリンスタンドと、そこでたむろする若者。 

 

 

タンザニアの若者の多くは暇を持て余しており、休日はバイクや車でドライブするのが日課になっております。

基本的にやることがないため、車に乗っての長距離移動が苦になっていません。

そのため、多くの時間を移動に費やし、ガソリン代に多くの費用をかけるという事態に陥っています。

これが、タンザニアが発展しない最大の理由ではないかと。

 

 

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↑何をやるでもなく、ひたすら話している若者。

このほかにも、バイクにまたがってひたすら話している若者が滅茶苦茶大勢います。 

 

 

先進諸国を見ればわかりますが、発展している場所ほど一極集中が進んでいます。

1つの街に、都市機能が集中すればするほど便利になり、住みやすくなるからです。

これがタンザニアでは拡散しすぎています。

そのため、上下水道の整備も遅れており(広い国土をカバーできていない)、電気もほとんど通っておらず、都市機能(病院、スーパー、学校、etc…)を利用するのに、数時間かける必要があるんです。

 

 

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↑一見すると近代的な建物が並んでいるように見えますが…

 

 

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↑道路挟むともうこんな感じです。

主要道路以外は、未舗装です(主要道路も一本のみで、日本のように何本も国道や県道が走っているなんてことはありません)。 

 

 

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↑主要道に繋がっている側道は全てこんな感じ。

これ、街の一流ホテルのすぐ横の道路です。

 

 

最大の問題は、これをタンザニア国民が「マズイ」と感じていない点でしょう。

なぜか?

車社会だから。

車で移動するのが当たり前、かつ快適だから。

そして前述したように、たとえ中古車とはいえ、所有して維持するのがそれほど難しくないから。

 

先進国を見てみると、車の登場は他の都市機能の登場よりもずっと後です。

広く世間に普及したのは、産業革命のずっと後であり、都市部の近代化が進んだ後でした。

従って、先進国の都市部には、文明活動に必要な機能が集中しています。

 

タンザニアは十分に発展する前に、移動に便利な車というものが導入されてしまいました。

車の導入以前と比較して、爆発的に移動が簡単になってしまったことによって、都市部への機能の集中が遅れ、近代化が進まなくなったのではないかと推測しています。

それが当たり前であり、それを不便と感じることがないんです。

また、前述しましたが、時間やお金を使う場所が極端に少ないため、ドライブで時間をつぶすということが常態化しています。

 

タンザニアで車社会が成り立っていることによる最も大きな弊害は、ガソリン代が大きな負担であることです。

タンザニアのガソリン代は、日本とさほど変わらないみたいです。

ちょっと調べましたが、夫婦で仕事をしており、タンザニアではエリートと思われる夫婦の月収が200万シリング、ガソリン代の支給はなく、月のガソリン代の負担が30万シリング。

👇こちらを参考にしました。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/bop/precedents/pdf/housesurvey_20160808_tz.pdf

 

夫は政府役人とのことですが、夫の給料の1/3がガソリン代に消えていってます。

日本では考えられないです。

皆さん、年収の1/3がガソリン代に消えていったら、生活できないでしょ?

 

タンザニアではこれが当たり前になっており、多くのお金が原油国へと流れて行ってしまってるんです。

私、このことについては、原油国と自動車生産国との間で何らかあると思わずにはいられません。

 

まとめると、タンザニアでは

①移動に時間がかかりすぎており、経済活動に影響を及ぼす

②都市機能が拡散しすぎており利用しづらく、上下水道などの整備も遅れている

③娯楽といった国内で循環させるべき費用が、ガソリン代という名目で外国へ流れている

 

ということで、タンザニア発展途上国)が発展しない最大の理由について、私なりに推測してみました。

長くなってきたので、この辺で。

次回は、他の発展しない理由と、ではどうすれば発展するのかについて考えたいと思います。