シャア専用ねこのブログ

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白雪姫の未来  本当は「怖い」グリム童話

どんもっす。

 

昔話シリーズその⑧

リアルに白雪姫がいたら…多分こんな感じ👇

 

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王妃「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのはだあれ?」

魔法の鏡「それはあなたです」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「はい、まごうことなく、あなたです」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「はい、嘘偽りなく、あなたです」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「はい、本当の本当にあんたです」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「王妃様、話が進みません」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「……………………」

 

ー翌日ー

王妃「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのはだあれ?

魔法の鏡「それは王妃様、あんたです」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「のは、昨日までの話。今日からは違います」

王妃「うっそ!」

魔法の鏡「ようやく別のリアクション返ってきましたね。安心しました」

王妃「誰、誰? 誰なの?」

魔法の鏡「それはあなたの娘、白雪姫です」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「あれ? 思ったほどショックを受けてませんね。顔を真っ赤にして、怒り狂うと思ってたのに」

王妃「まあね。母親の私でさえ引くくらい可愛いし。ってか、母親の私が世界一美しいんだから、娘が美しくても何ら不思議じゃないし。旦那イケメンだしね。何より肌が白くて雪のように可憐な子が欲しいと願って、白雪姫って名付けたくらいだから」

魔法の鏡「なるほどねー」

王妃「それにしても、あの子まだ7歳よ? いくら何でも世界一は言いすぎじゃない?」

魔法の鏡「自分、ロリコンの気があるんで」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「あれ、知ってたんですか?」

王妃「まあね。いくら何でも、私が世界一美しいってのが、そもそもおかしいでしょ。子供産んで多少体型崩れたし。で、私ロリ入ってるじゃない? 10代と間違えられるなんてザラだし。だからこの鏡、ロリコンなんじゃないかと疑ってたのよ」

魔法の鏡「慧眼恐るべし」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「で、どうなさるおつもりで?」

王妃「ふっふっふ。まあ見てなさいな」

 

ー翌日ー

王妃「猟師よ、あなたに命じます。白雪姫を殺し、証拠として肺と肝臓を持ってきなさいな」

猟師「ははっ!」

 

魔法の鏡「………。エグイこと命じますね」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「実の母親の命令とは思えませんわ」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「王妃様、わざとやってます?」

王妃「まあね。あなたのツッコミ、結構好きだし」

魔法の鏡「光栄です。それにしてもよろしいので?」

王妃「良いわけないでしょ。何が悲しくて実の娘を殺さないといけないのよ」

魔法の鏡「え…。でも、さっき…」

王妃「心配しなくても、殺せないでしょ」

魔法の鏡「ほほう。というと?」

王妃「あの猟師、根っから優しいからね。しかもロリの気があるし。しかも肺と肝臓持ってこい!なんて無理難題だしたからね。7歳の少女の肺と肝臓抜き取ってくることができたら、鬼か悪魔よ」

魔法の鏡「しかし、万が一ということも…」

王妃「ないわよ。心配性ね。白雪姫は仮にも私の娘よ? 男心をくすぐる術はあの年齢で心得てるわよ。あの娘に上目遣いで懇願されたら、閻魔大王も許すでしょうよ」

魔法の鏡「自信がおありですね」

王妃「まあね。私も経験あるし」

 

ー翌日ー

猟師「言いつけどおり、肺と肝臓をお持ちしました」

王妃「ご苦労様。下がってよろしい」

猟師「ははっ!」

 

魔法の鏡「…ちょ、これマズくないすか!」

王妃「なに慌ててんのよ」

魔法の鏡「これが慌てずにいられますか」

王妃「偽物に決まってるじゃない。あの子の肺と肝臓にしては大きすぎるわ。おおかたイノシシかクマでしょ」

魔法の鏡「自信がおありですね」

王妃「まあね。そんなに疑うなら自分であの子を覗いてごらんなさいな」

魔法の鏡「むむむむむ! かぁーーーーーっ!!  …ほんとだ」

王妃「だから言ったでしょ。というか、そんな掛け声今までかけてたっけ?」

魔法の鏡「いえ、キャラづくりも必要かと思いまして」

王妃「あなたも大変ね。まあいいわ。折角いい肝が見つかったから、鍋パーティよ」

魔法の鏡「発想が古いですね」

王妃「やっぱり?」

 

ー翌日ー

魔法の鏡「あれ? 王妃様、そんな恰好してどこに行くんですか?」

王妃「しーっ! 白雪姫の様子を見に行くということは、内緒よ」

魔法の鏡「御意」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「王妃様、適当に言ってるでしょ」

王妃「うるさいわね。私もキャラづくりしないと生き残れないのよ、この世界」

魔法の鏡「王妃様も大変ですね」

王妃「まあね」

魔法の鏡「白雪姫のことが気になるので?」

王妃「まあね。私のせいで王宮を出ることになったんだし…。一応避難先には10年以上に渡って籠城できるだけの水と食料、召使いとして7人の小人を手配しておいたわ」

魔法の鏡「母親の鏡ですね」

王妃「やっぱり? 鏡が言うと重みがあるわね」

魔法の鏡「ありがたき幸せ」

王妃「というわけでちょっくら様子見てくるわ」

魔法の鏡「行ってらっしゃいませ」

 

 ー翌日ー

魔法の鏡「どうでした?」

王妃「自分で覗いてごらんなさいな」

魔法の鏡「うおらぁ!どすこい!!  …あら?」

王妃「思い切った掛け声ねー。で、どうなの」

魔法の鏡「白雪姫、死んでません?」

王妃「ちゃんと見なさいよ。眠ってるだけよ」

魔法の鏡「何したんですか?」

王妃「クロロホルム嗅がせただけよ。これで王子様のキスで起きたら、感動のご対面&恋に落ちちゃう!ってやつよ」

魔法の鏡「しっかし、白雪姫まだ7歳ですよ。王子様、恋に落ちますかねー」

王妃「大丈夫でしょ。あの子の美しさはそんじょそこらじゃないし。最近はロリコンやらポリゴンやらが流行ってるから」

魔法の鏡「そういうもんですかねぇ」

 

ー翌日ー

王妃「で、どうなの?」

魔法の鏡「何がです?」

王妃「白雪姫よ。覗いてごらんなさいな」

魔法の鏡「すぷりあっぷしゅううううう!! …ほほう」

王妃「もはや掛け声じゃなくなってるわよ。で?」

魔法の鏡「王妃様の狙い通りです。王子様とはしゃいでますね」

王妃「だから言ったでしょ?」

魔法の鏡「次はどうなさるおつもりで?」

王妃「どうもしないわ」

魔法の鏡「と言いますと?」

王妃「実験はこれで終わり。まさか毒リンゴ本当に食べさせるわけにはいかないし、私も真っ赤に焼けた鉄の靴履いて死ぬまで踊るなんてごめんだから」

魔法の鏡「何かわかりましたか?」

王妃「何も。やっぱりあの人の考えなんてこれっぽっちもわからなかった。全く同じことしないと駄目なんだろうけど。そんなことできるわけないしね。あの時、あの人はどんな気持ちで踊っていたのか。今となっては知る由もない。でも、ひとつだけわかっていることがある」

魔法の鏡「なんですか?」

王妃「私も間違いなく地獄に落ちるだろうということよ。実の母親に、焼けた鉄の靴を履かせて、死ぬまで踊らせるなんて狂気の沙汰だわ。あの時は私もどうかしてた」

魔法の鏡「しかし、あなたはそれ以上の仕打ちを受けたのでしょう」

王妃「確かに命を狙われた。毒リンゴを食べさせられもした。でも私はそれほど苦しまなかった。何より、生きてる。周りの方々の慈悲のお蔭でね」

魔法の鏡「それは結果論でしょう」

王妃「かもしれないけど…今となっては、ね」

魔法の鏡「地獄までお友します、しらゆきひめ様」

王妃「ありがと。でも、その名前は私にはやっぱり似合わないわ。私の心は真っ黒に汚れている。くろゆきひめ、ね。いくら復讐とはいえ、やりすぎた」

魔法の鏡「そんなことは…。それにしらゆきひめ様の美しさがあれば、閻魔大王も許してくれるでしょう」

王妃「やっぱり?」

魔法の鏡「ええ。というか、ご自分で仰ってたじゃないですか」

王妃「そりゃ白雪姫の話よ。それもなう! 私が死んだとき、仮に60歳過ぎてたら今の美しさは、かけらもないでしょう」

魔法の鏡「しらゆきひめ様なら、60歳過ぎてもその美しさは色褪せることはないでしょう」

王妃「ありがと。あなたは鏡の鏡ね」

魔法の鏡「やっぱり?」

王妃「ふふっ。あなたといると本当に退屈しないわ。地獄でも宜しくね」

魔法の鏡「御意」