シャア専用ねこのブログ

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進撃の巨人における絶望的な疑問もしくは矛盾点… 漫画の名言・名場面

どんもっす。

 

シャア専用ねこがお勧めする漫画シリーズ

記念すべき第十三回目は

進撃の巨人(ばばばばばばばばばばばばばーん!!!)

 

およそ設定や伏線を投げっぱなしジャーマンで終わらせる昨今のパニックストーリー系において、その伏線や謎を丁寧に回収してくれる、非常に面白い作品です。

 

 

※多少ネタバレがあります。最新話まで読んでない方はご注意ください。

 

2016年10月発売の別冊月刊マガジンで、ついにあの世界の全貌が明らかになりました。

まだまだ明らかに謎な部分がいくつも残っていますが、今回の第86話では現時点までの最も大きな謎が明らかになったといっても過言ではないでしょう。

 

とはいえ、まだまだ多くの謎がネット上では話題を読んでいます。

ほとんどの謎については、多くの考察サイトで素晴らしい考察がなされていますので、ぜひ色んなサイトを覗いてみてください。

 

私は私なりに、今までの話を読んで思った疑問をいくつか述べたいと思います。

※あくまで現在(2016年10月18日)までに公開されている情報に対して、です。

今後作中でさらなる謎の解明がなされると思います。

 

 

調査兵団が組織されることがなぜ許されたのか?

始祖の巨人の力や王家の記憶を改竄する能力が明らかにされたときから、ずっと疑問に思っていました。

初代王の血を受け継いでいるレイス家からすれば、壁の中に平和な世界を築きたいはず。

それがいつかは滅びるとわかっていても、可能な限り長期間続いてほしいと願っていたはずなのですが、調査兵団は壁外の調査をメインとしており、この世界の謎を解こうとしている兵団です。

明らかに、王家の望みと相反する思想です。

 

もちろん、グリシャが言うように人の探求心というものは抑えきれないので、調査兵団を作って壁外を探索しよう!という意見は当然出てくると思います。

しかし、その組織を容認することは王家としては非常に苦しいはず。

王家は壁の中の人々の記憶を改竄することができる(東洋の一族とアッカーマン家を除く)ので、そういう話が持ち上がるたびに、記憶を改竄すればそれで済むはず。

現時点ではエレンにその能力(座標)が移っているため不可能なのですが、それ以前については十分可能だったはずです。

ちょっと矛盾している感が否めません。

というよりも、始祖の王の記憶改竄能力がチート過ぎて持て余している感はあります。

 

 

ジークの年齢まわりが明らかにおかしい

グリシャの実子でありながら、マーレの戦士長として行動するジーク。

グリシャの実子なのですが、その見た目が明らかにグリシャ(死亡前)を上回っています。

白髪に白ひげ。

 

グリシャは無知性巨人として、壁の外を数十年うろついていた可能性があります。

ユミルが60年程度うろついていたにもかかわらず、見た目年齢が10代であることを考えると、無知性巨人の間は年を取らないと考えられます(知性巨人については現時点では不明)。

 

なので、グリシャの年齢をジークが上回っていたとしてもここは問題ではありません。

ジークとグリシャの見た目年齢を考えると、グリシャも30~40年程度壁の外をうろついていた感じがします。

 

ここで問題なのが、その間マーレは一体何をやっていたのかということ。

 

現在のジークの年齢を、少なく見積もって仮に40歳としましょう。

グリシャがパラディ島に送られたとき、ジークは7歳です。

壁が壊されたのが5年前。

つまり、マーレの攻撃手段が整うまで、

40-7-5=28年!!

もかかっているということです。

仮にジークの年齢が30としても18年、50歳なら38年もかかっている計算になります。

時間かかりすぎじゃない?

 

これは、マーレ政府が「マーレの戦士」を集め始めてからかかっている年数です。

ちなみに、マーレ政府は「数年で戦士を選出して~」と言っています。

数年かかるのはわかります。

巨人の力の練度を高めるためにも必要でしょう。

でも、実際は20年以上かかっている計算。

 

当時マーレで集められたのは5~7歳の戦士。

アニやライナー、ベルトルトがこの時に集められたのだとしたら、年齢が合いません。

もっと年を取っているはず。

それこそジークと同じくらいの年齢のはず。

でも、ジークだけ飛びぬけて年齢が上で、ライナーやベルトルトが10代であることを考えると、彼らはここ10年くらいで戦士になったと思われます。

知性巨人になるためには特別な条件が必要ではない(条件さえ満たせばだれでもなれる)ようなので、巨人になれる資質の者を探していたというのでは理屈に合いません。

また、マーレはほぼエルディアを管理下に置いていたので、5~7歳の子どもを連れてきて洗脳するのはそんなに難しくはないはず(少なくとも1年以内には可能)。

この数十年マーレとジークは一体何をやっていたのか?

 

 

超大型巨人で壁を壊すのはアリなのか?

超大型巨人たちの狙いは、壁の間から無知性巨人を壁内に入れること、そして自分たちも壁内に留まって始祖の巨人の力を手に入れること。

これは大前提として王家のフリッツ家(レイス家)を刺激しないでやらないといけません。

なぜなら、王家は無知性巨人を自由に操ることができるからです。

王家を刺激してしまうと、その辺の無知性巨人はもちろん、壁の中の超大型巨人までけしかけられてしまう恐れがあります。

なので、刺激するのは絶対にマズい。

 

しかし、マーレが選んだのは超大型巨人で壁を壊すというもの。

…めっちゃ刺激してない?

明らかに王家は身構えると思うのですが。

どうなんでしょう。

 

 

ライナーはなぜユミルの手紙をハンジ(ヒストリア宛)に渡したのか?

普通に考えて相当重要な内容が書かれていると思われるユミルがヒストリアへ宛てた手紙。

下手したらこの世の成り立ちや真の敵が記載されていてもおかしくありません。

そのような手紙を、なぜライナーは調査兵団に渡したのか?

死の間際で、戦士ではなく、兵士だった?

仮に、ユミルの手紙が世界の本質に迫るような内容でないのだとしたら、わざわざ手紙で送る必要はないような気がします。

もちろん、ユミルはもう既に死んでいる可能性がありますし、ユミルとヒストリアの関係を考えたら、最後に手紙でやりとりしたいと考えてもおかしくはありません。

しかし、そうなればやはり手紙の中には、この世界において重要な事柄が記載されてないとおかしい、そうなってくるとライナーが渡したのはおかしい…

と考えだしたらキリがないですが。

 

 

これらの謎が今後明らかになっていくのでしょうか。

この辺にループ説?の謎が隠されているのでしょうか。

パラレルワールド的な??

これからの展開に注目です。

 

 

進撃の巨人の名言・名場面

 

エレン「よう…… 5年振りだな…」

(5年前に出現した超大型巨人が、再度出現した時のエレンのセリフ)

一番最初に物語に登場した知性巨人である、超大型巨人。

当時も今も、この漫画の全ての巨人の象徴のような存在です。

その恐怖の塊とも言える超大型巨人に再び相対したエレンはビビるどころか一人で立ち向かいます。

このシーンは本当に心が躍りました。

しかも、5年振りとか言っておきながら、実際はずっとそばで一緒に訓練していた仲間なわけです。

この辺、諌山先生は非常に上手いなーと思います。

それにしても、超大型の中身があんなに薄いキャラでよかったのだろうか…。

 

 

ミカサ「この世界は残酷だ そして美しい」

立体機動装置のガスが切れて巨人に迫られたとき)

度々出てくるこの表現、作者である諌山先生が伝えたいメッセージの一つのような気がします。

あまりにも残酷で何だかよくわからない力で支配されているこの世界。

この世界で生きていくには、抗うにはただただ諦めずに戦うだけ。

 

 

ピクシス「その巨人の恐ろしさを自分の親や兄弟 愛する者にも味わわせたい者も!! ここから去るがいい!!」

(巨人の恐ろしさに怖れをなした兵団を鼓舞するため)

ピクシスきっての名場面だと思います。

言い回しが非常に上手い。

こんな言われ方したら、逃げる訳には行かないですよね…。

ピクシスの狙い通り、誰一人逃げ出すことなく巨人討伐へと参加します。

 

 

ジャン「誰しもおまえみたいに… 強くないんだ…」

(巨人に喰われたマルコを弔いながら)

ついに調査兵団に志願することを決めたジャン。

戦わないと道は開けないと知っていながらも、死が怖くて踏み込めないでいたジャンですが、マルコの死に直面し、次の犠牲は一体誰なのか…と考えるに至り、調査兵団に所属することを決めました。

この、弱い人間であるジャンの気持ちが変わったことや生まれながらの死に急ぎ野郎であるエレンと触れることで、ライナーやベルトルト、アニの考えを変えていきます。

ジャンのような存在がいなければ、彼らが戦士になり損ねることもなかったでしょう。

 

 

リヴァイ「自分の力を信じても…信頼に足る仲間の選択を信じても… …結果は誰にもわからなかった…」

(女型の巨人に追われているときに、エレンに自分の好きな方を選べと述べる)

作中最強の存在であるリヴァイ。

常に冷静沈着で、作戦立案はエルヴィンやハンジに委ねてますが、緊急時の判断力と相手の力量の見極めは随一です。

ってか、何気にリヴァイも頭いい。

そのリヴァイも、(やる前から)結果はわからないから、好きな方を選べ、と。

何だか、勇気が湧いてくる言葉です。

 

 

アルミン「何も捨てることができない人には何も変えることはできないだろう」

(エルヴィンの非情とも言える作戦を目の当たりにして)

多くの命を助けるために、100人の命を切り捨てる決心をしたエルヴィン。

そのエルヴィンの作戦に参加したアルミンは上記発言を。

これはエルヴィンを最大限賞賛しているといってよいでしょう。

現実世界も同じです。

何も捨てることができなければ、何も変えることはできません。

 

 

エルヴィン「すべてを失う覚悟で挑まなければならない」

(女型の巨人を取り逃がした直後のハンジとの会話にて)

最善策をとっているようでは到底相手には敵わない。

全てをかけなければ、到底かなわないとエルヴィンは主張。

その直後、最善策を取ったと思われるリヴァイ班は全滅してしまいます。

兵団最高の知恵者だけあって、その判断力は抜群。

いついかなる時も冷静に判断しており、自身の命さえ、代えがきくと主張して憚りません。

それだけの覚悟を背負っての、エルヴィンの闘い。

 

 

ハンジ「何言ってんの? 調査兵団は未だ負けたことしかないんだよ?」

フレーゲルに調査兵団の負けを告げられて)

この時のハンジの表情、胸を打つものがありますね。

調査兵団は負けたことしかない、それでも挑戦し続けることに意味があり、勝つためには挑戦するしかないということを改めて教えてくれます。

 

 

ジャン「一番使えねえのは一にも二にも突撃しかできねぇ死に急ぎ野郎だよ」

(ウォールマリア奪還最終作戦結構前、マルロとの会話にて)

各兵団へと配属前に何度も交わされたであろうこの会話。

再び、ウォールマリア奪還前に半ば名物芸みたいな形でエレンを挑発。

エレンもしっかりその挑発に乗って、二人で殴り合いを開始します。

こういう演出は凄い面白いですよね!

平和だった時代を皆が思い出したような感じで。

 

 

リヴァイ「待てよ… 俺はあいつに誓ったんだ… 必ずお前を殺すと… 俺はー誓った!!」

(獣の巨人が逃げる際に、獣めがけてはなったセリフ)

調査兵団絶対絶命のピンチにおいて、お互いの死を意識しあうエルヴィンとリヴァイ。

リヴァイはエルヴィンを生かそうとして、獣の巨人の相手を買って出ますが、エルヴィンは自分の命をさらせば、獣に勝てるという。

但し、エルヴィンには夢があり、その夢をかなえる前に死ぬわけにはいかないという思いもありました。

しかし、リヴァイが諭すと、憑き物が落ちたような顔になり、自らの命をリヴァイに託して、獣の巨人に特攻します。

最初はリヴァイも自分が囮になるつもりだったのですが、エルヴィンが策があることを打ち上けると、エルヴィンの命を託される覚悟を決めます。

リヴァイとエルヴィンの絆の強さを改めて確認できる貴重な1シーンですね。

 

 

というわけで、進撃の巨人はまだまだ謎が多いので、これからも目が離せません。

 

※2016/12/16追記

今月号で、ついに進撃の巨人のタイトル名の由来が明らかに!!

知性巨人は全部で9ついて、その全てに名前がついています。

そして、エレンが継承した力が、常に自由を求めていた巨人の力、その名は

進撃の巨人

 

ということで、エレンの巨人の名前がそのままタイトルになっていたんですね!

7年越しに明らかになったタイトル名。

2000年後の君へ

にも何らか通じてそうです。

 

天空の城ラピュタが「ルパン三世 カリオストロの城」の焼き増し疑惑

どんもっす。

 

今日再び「ルパン三世 カリオストロの城」が地上波で放送されますね。

こら見ないといかんと思い、近所のコンビニにおやつとお酒を購入しに行くと、同じようにお酒とおやつを買っている方が。

 

「おや、あなたも?」

「ええ。ということはあなたも?」

という会話があったわけではありませんが、アイコンタクトだけでその人もカリオストロの城用におやつとお酒を購入していることがわかりました。

お互い、シンパシーを感じてたし。

なんか、お互いニヤリとしてたし。

 

いや、カリオストロの城偉大ですわ。

 

宮崎駿監督が手掛けているだけあって、ルパン三世の中でも屈指の人気を誇るこの作品。

ただ、以前からずっと疑問に思っていたことが…

 

 

天空の城ラピュタと似てね?」

 

そもそもどちらも「城」が舞台ですからね!

 

どちらも宮崎駿さんが監督なので、当然と言えば当然なのですが、この場合の「似る」とは、例えば「もののけ姫」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「天空の城ラピュタ」を見比べて、

「ああ、同じ方が作ったアニメだね」

とか

スタジオジブリの作品だね」

というように感じるということではありません。

 

なんか、物語的に一緒な感じ。

 

ルパン三世 カリオストロの城」は1979年に公開。

当時日本アニメーションに勤めていた宮崎駿監督が、監督と脚本を務めます。

一方、「天空の城 ラピュタ」は宮崎駿監督にとって、原作となる作品が存在しない初のアニメオリジナルの監督作品。

 

私の中では、「天空の城 ラピュタ」は、宮崎駿監督の初の完全オリジナル作品と見せかけて実は「ルパン三世 カリオストロの城」の焼き増し疑惑が…。

 

こりゃあパヤオやっちまったか!

と「カリオストロの城」と「天空の城ラピュタ」が放送されるたびに思ってました。

今回、この禁断のテーマについて触れてみたいと思います。

 

何か似ていると思う点

 

カリオストロ⇒城

ラピュタ⇒城

 

カリオストロ⇒最終的に一部を残して城崩壊

ラピュタ⇒最終的に一部を残して城崩壊

 

カリオストロ⇒水面下に滅んだ文明が沈んでいる

ラピュタ⇒水面下に滅んだ文明が沈んでいる

 

カリオストロ⇒悪役とルパンと銭形(警察)の三つ巴。但し、悪役が考える余地がないほどの悪なので、最終的にルパンと銭形が共闘。

ラピュタ⇒悪役とパズーとドーラ一家の三つ巴。但し、悪役が考える余地がないほどの悪なので、最終的にパズーとドーラ一家が共闘。

 

ヒロイン側

クラリス⇒本作のヒロイン。冒頭から悪役に追われている

・シータ⇒本作のヒロイン。冒頭から悪役に追われている。

 

クラリスカリオストロ公国の公女。本物のお姫様。

・シータ⇒ラピュタの正当な後継者。本物のお姫様。

 

クラリス⇒王家だけに伝わる言い伝えを知っている。

・シータ⇒王家だけに伝わる言い伝えを知っている。

 

クラリス⇒大公家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。実は本人自身は重要ではない。

・シータ⇒王家に伝わる「飛行石」の所有者。実は本人自身は重要ではない。

 

クラリス⇒ビビるほど財宝などに無関心。

・シータ⇒ビビるほど財宝などに無関心。

 

悪役側

カリオストロ伯爵⇒病的なまでのロリコン

ムスカ⇒極度のロリコン

 

カリオストロ伯爵⇒伯爵家当主。公国の影のような存在。

ムスカ⇒王家に仕える分家。王家の影のような存在。

 

カリオストロ伯爵⇒伯爵家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者。

ムスカ⇒分家に伝わる古文書の所有者。

 

カリオストロ伯爵⇒城の仕掛けを知らず、巻き込まれて死亡。

ムスカ⇒滅びの言葉を知らず、巻き込まれて死亡。

 

 

ね?

似てるでしょ?

 

ちなみに、上記考慮してあらすじ書いてみました。

 

このアニメのあらすじ

城を舞台としたアニメ。

物語の最重要地点である城周辺の水面下には、かつて栄華を極めた文明が眠っている。

冒頭から少女が悪役に追われている。

少女は由緒正しい家系の血を引くものであり、その家系に先祖代々伝わる重要な道具を所持している。

また、その家系の言い伝えを知っている。

物語の途中、主人公に出会い一度は助けられるが、悪役にさらわれてしまう。

少女を狙う悪役は、少女の血筋と近しい関係であり、光に対する影のような存在である。

少女を狙う悪役が欲しているものは、少女が所持している道具であり少女自身は必要ないはずであるが、異常なまでのロリコンの為、なんやかんやと理屈をつけて結婚しようとする。

悪役は城の最終的な仕掛けを知らず、城の仕掛けに巻き込まれて死亡する。

少女と主人公は互いに好意を寄せていたが、アニメ中では結ばれることはない。

 

 

さて、この作品は?

どうどう?

カリオストロにも、ラピュタにも通用しません? このあらすじ。

 

うむむ、でしょ。

 

あ、勘違いしないでいただきたいのが、私はどちらの作品も大好きです。

なので、今日これから体調万全にして、視聴に挑みます。

 

皆さんも、花の金曜日、楽しんでください!

 

鬼の独白 本当は「優しい」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその⑤

鬼がリアルにいたら、多分こんな感じ👇

 

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あ、どうも。

鬼っす。

見たまんま鬼っす。

日本昔話に限らず、色んな話に昔から出てくるから、日本で一番有名な敵キャラじゃないかと思ってるっす。

 

まあ、一口に鬼と言っても色々いるっす。

赤鬼、青鬼、一鬼…

基本皆良い奴っす。

でも、大きな体と怖い風貌の為か、世間では俺たち鬼はいつも悪者っす。

何も悪いことしてないのに親の仇みたいに追い回されるっす。

 

世間一般のイメージはとんでもない誤解っす。

今日はその誤解を解きに来たっす。

 

例えば、日本昔話ではちょいちょい村の娘をさらいに鬼がやってくるっす。

大体物語の主人公が、とある村に到着した直後位に鬼がやって来るっすが、タイミング良すぎと思わないっすか?

あれ、演出の為にわざわざタイミング合わせて出向いてるっす。

非日常的な事案を通じて知り合った男女は結ばれやすいっす。

統計データでも出てるっす。

 

つまり、主人公と村娘をくっつけるためにわざわざやってることっす。

大きな声では言えねっすが、お世辞にもカッコいいとは思えない主人公もいるっす。

そういう主人公の為に、俺たち鬼が一肌脱いでる訳っす。

その証拠に、鬼側はあっさりやられるっす。

人間の通常攻撃なんか、痛くも痒くもないっす。

でも、皆痛がったふりをして、負けたふりをしてるっす。

そのおかげで、今まで何組ものカップルが生まれたっす。

俺たちは恋のキューピッドって奴っす。

物語はハッピーエンドと相場が決まってるっす。

 

え? そうは言っても、娘を何度もさらっている鬼もいるって?

それも誤解っす。

確かにさらうかも知れねっすが、ちゃんと村に帰してるはずっす。

多分、一緒に酒盛りとかしているはずっす。

 

最大の勘違いとして、鬼が人間を食べるという先入観があるっす。

人間なんか食べねっす。

食べたことないっすが、絶対にマズいっす。

 

鬼も普通に野菜とか牛とか豚とか魚を食べるっす。

普通に美味しい食材がその辺にあるのに、わざわざ人間食べる鬼いねぇっす。

 

人間に欲情することもないっす。

よくよく見てほしいっす。

人間と鬼、全然見た目が違うっす。

人間の村娘に恋をするのは、人間が他の生物に恋するのと同じくらいあり得ないことっす。

なので、さらって変なことをしているというのも全くの誤解っす。

 

え?

ああ、賽の河原…。

あそこはブラックっす。

人間の子どもが必死こいて積み上げた石を叩き壊す…。

人間の、いや鬼の所業じゃないっす。

俺たち鬼も嫌々やってるっす。

楽しんでなんかないっす。

 

大体からして、生物の子供は万物共通して可愛いっす。

犬や猫、象やゴリラやライオン…

皆可愛いっしょ?

子供は種族を越えて、可愛いもんっす。

鬼から見た人間の子供も例外ではねぇっす。

そんな子供たちが一生懸命積み上げた石を崩すのに、心が痛まねぇわけねぇっす。

 

しかも、賽の河原に来る子供たちは、現世で親よりも早く死んだからその親不孝の報いを受けるために連れてこられるっす。

この設定考えた奴、頭おかしいっす。

親より早く死にたい子供なんているわけねぇっす。

親より早く死んでしまう子供たちの大半が、病気や不慮の事故、虐待によるものっす。

現世で散々な目にあって、あの世でも苦行を受けるんす。

正気の沙汰じゃないっす。

 

え? じゃあなんであんなことしてるのかって?

ノルマっす。

俺たち鬼も雇われている以上、嫌なことでもやらないといけないっす。

あんたら人間のサラリーマンと同じっす。

閻魔大王の命令っす。

あ、ここだけの話でお願いするっす。

 

なので、年度始めの鬼事異動では、皆戦々恐々っす。

賽の河原勤務になったら、完全に外れっす。

鬱になって、仕事辞める奴も出てくるっす。

 

そもそも論として、積んだ石を崩さないといけない理由については、古いしきたりとかこの世の決まりとかそういうことっす。

太陽が東から昇るのと同じで、はるか昔から決まっていることっす。

俺たちに文句言われてもどうしようもないっす。

最終的に石を積み上げることに成功したら地蔵菩薩が救済してくれるらしいっすが、この地蔵菩薩が作った設定じゃないかと睨んでるっす。

自分の株を上げるために…。

あくまで推測っす。

よもやま話として聞いといて欲しいっす。

 

とにかく賽の河原で、喜々として仕事している鬼は一人もいないっす。

信じてほしいっす。

 

 

え? 酒呑童子先輩?

もちろん知ってるっす。

鬼界では、カリスマっす。

レジェンドっす。

マジ、パネェ存在っす。

ちなみに、高校の先輩っす。

当時は滅茶苦茶モテたっす。

いや、酒呑童子先輩が、っす。

子分も滅茶苦茶いたっす。

 

別の高校に行ってしまった茨木童子先輩とは子供の頃から仲が良かったっす。

いや、酒呑童子先輩が、っす。

大人になってからは良く俺も一緒に飲みに連れて行ってもらったっす。

 

別々の高校に行ってしまった酒呑童子先輩と茨木童子先輩が、一度だけ些細なことがきっかけで対立してしまう事件があったっす。

これは事件も事件、大事件だったっす。

お二人とも高校の後輩や子分を引き連れて、3丁目の工場跡地でぶつかったっす。

お互い300鬼くらい引き連れての大戦争!っていうマンガみたいな展開だったっす。

鬼同士の喧嘩はやばいっす。

人間同士の喧嘩だったら、せいぜい釘バットっす。

鬼はリアルにこん棒持ってくるっす。

あのトゲトゲのついた奴っす。

最終的には警察も出動したくらいっす。

 

あ、俺は家で風邪ひいて寝てたっす。

今のも他鬼から聞いた話っす。

 

お二人とも最初は人間だったけど、なんやかんやで鬼になったと言われてるっすが、大きな誤解っす。

お二人とも元から鬼っす。

子どもの頃近所に住んでたから知ってるっす。

ってか、人間は鬼にはなれねっす。

 

このお二人のお蔭で、様々な伝説が生まれてしまったっす。

「鬼」という形容詞が色んな意味で使われるようになったのもこのお二人のせいっす。

「強い」「悪い」「怖い」「ものすごい」「粗い」「大きな」「固い」…。

 

良く、「鬼のように強い」とか、「お前は鬼か!」といった言葉を聞くっすが、あのお二人見てると納得っす。

ちなみに、「鬼」には「ものすごい」という意味も含んでいるので、「鬼のように弱い」という使い方もあながち間違ってはないっす。

 

 

そんなこんなで、鬼も基本的には人間と同じっす。

もちろん、中には酷いことする鬼もいるっす。

でもそれは、人間も同じことっす。

 

これで誤解を解いて、今後は普通に接してくださると今回出てきた意味があるというものっす。

 

それでは、この辺で。

 

今から?

今からは外回りっす。

今月のノルマまだこなせてないっす…。

とほほっす。

 

一寸法師の猥談 本当は「ゲスい」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその④

一寸法師がリアルにいたら多分こんな感じ👇

 

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拙者、名を一寸法師と申す。

その名の通り一寸ほどの身長で生まれてきて、最終的に180cmを越える身長になってしまうという、オーバーテクノロジーを超越した何かを受けた身として、世間的には知らない者はいないと確信しているでござる。

 

しかし、その出生はギリギリでござった。

というか、日常生活全てがギリギリでござった。

 

考えても見られよ。

拙者、体の大きさが一寸一寸。

あ、いっすんいっすんではなくて、いっすんちょっと、ね。

…あ、ござる。

それで一寸法師

今の時代で言うと、3cm程度で候(そうろう)。

 

このサイズで活動することは、まさに日常生活そのものがデンジャラス。

拙者にとっては身の回りの生物全てが捕食者。

毎日拙者の命を狙う生物とのランデブーでござった。

犬や猫はもちろん、ネズミやカラス、ハト…

これらの生物はまだ良い方で、問題は昆虫で候。

カマキリやセミ、バッタ、ムカデ、ハチ、アリ、クモ、ゴキブリ…

アリやハチは大群で襲ってくるし、クモは巣を張ってエグイ罠にかけようとしてくるし、カマキリは何考えてるかわからないし、ゴキブリはキモイし…

というか、昆虫は総じて気持ち悪いでござる。

等身大で、お腹部分のグニャグニャしている部分を見せつけられることを想像して見られい。

 

一度ゴキブリの巣に迷い込んで、何十匹といる奴らが蠢く姿を見て、

「いやグロォ!! ってかキモっ!!!」

って叫んじゃったし。

…あ、ござる。

え? さっきから語尾が変だけど、キャラ作ってるのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

なお、きゃつらには拙者が護身用に持っていた針など一切役に立たなかったことは付け加えておくでござる。

むしろ、中途半端に攻撃を仕掛けて怒りを買うためだけに存在していたような無用の武器でござった。

大体針で刺された昆虫は、いきり立って襲い掛かってきたものよ。

ムフフ。

あの頃を思い出すと血がたぎってきたわ。

 

当然、そんな体だから、自然災害も並大抵のものではござらん。

ちょっと雨が降っただけで、簡単に流される始末。

段差も通常の人間の体感の50~60倍。

30cmくらいの段差も、拙者にとっては通常の人間に対しての15mくらいに感じるのでござる。

いや、こんな階段登れねーよ!ってなんどもツッコんでたし。

…あ、ござる。

 

そもそも、拙者が一寸だったのには理由があったのでござる。

父母である老夫婦が、子どもを授からなかったので、神様にお願いごとをするときに

「神さま、親指くらいの小さい小さい子どもでもけっこうです。どうぞ、わたしたちに子どもをさずけてください」

と念じたのが理由でござる。

で、神様がその願いを聞いてくれて、一生涯背丈が一寸の子どもを授けてく・れ・ま・し・た・よ、と。

 

いやー、良い話だね! って、バカヤロォ!

そんなバカな話があってたまるか!

お蔭でこちとら死と隣り合わせの毎日だよ。

…あ、候。

え? さっきから語尾が変だけど、キャラ作ってるのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

百歩譲って、体が小さいのは我慢できたでござる。

しかし、拙者がいたのは老夫婦の家。

どうせ養われるのであれば、若いおなごがいる家が良かった。

え?

何するのかって?

それはもちろん、この小さい体を活かして、あんなこととか、そんなこととか、こんなこととか…

ぐひっ、ぐひひひっ、ぐひひのひ!

いかんいかん、想像しただけでヨダレが…。

 

そういう訳で、拙者京の都を目指すことにしたでござる。

え? どうして京の都を目指したのかって?

たわけか、貴様は。

今までの話の流れからすれば、可愛いおなごが大勢いる京の都を目指すのは当然だろーが。

わざわざ、ジジババしかいない土地に行ってどうすんだ。

え? もうキャラ作りはやめたのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

で、旅立ちの日に餞別に用意されたのが、お椀の船でござった。

船というよりも、お椀そのものでござる。

これにはさすがの拙者も死を覚悟したでござる。

何のセイフティーもないお椀…。

ひっくり返ったら、川の藻屑でござる。

この老夫婦はとことんアホなのか…。

 

かなり逡巡したでござるが、命の危険に晒されているのは普通に暮らしてても同じ。

ならば、可愛いおなごと戯れることを夢見て旅出るのも一興か!と死を覚悟して旅出たのでござった。

まあ、欲望が勝った瞬間でござる。

 

お椀の旅は難解を極めて候。

揺れるわ、揺れる。

何度もお椀酔いで吐いたでござる。

ひっくり返ったら一巻の終わりなので、針の刀で舵をとって…

途中何度も虫の襲撃に会いながらも、辛うじて京の都に辿り着くことができたのであった。

日本昔話広しと言えど、ここまで命の危険に晒され、それでも生き延びた豪の者も珍しかろう。

 

京の都に着いたら、早速一番大きな屋敷を尋ねて候。

こういうのは、一番大きな屋敷を尋ねるのがセオリーでござる。

絶対に可愛い姫がいるはずだし、姫が可愛くないにしても侍女などが沢山いるはずで、その中には一人くらい絶対に可愛いおなごがいるはず。

自分好みのおなごと出会いたいなら、母数を増やす。

これ基本でござる。

 

ところが幸福なことに、その屋敷の姫は大層可愛いおなごであった。

美味しい!

美味しすぎるんじゃナイ?

え? もうキャラ作りはやめたのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

というわけで、正面から突撃。

拙者の体の小ささも手伝って、物珍しさが手伝ってあっさり採用されたでござる。

ぐしししし。

 

ふうむ。

ややや。

フムフム。

ほっほー、そう来ましたか。

おっほっほっほっほ、そうそう、そこそこ、そこは大事よ。

 

え? 何してるのかって?

当然、姫の湯浴みを覗いているのでござる。

これだけ体が小さいのだから、覗いてしまうのは不可抗力でござる。

大体、減るもんじゃなし。

拙者の普段の生活の際どさを考えたら、これくらい許されてもよかろう。

デュフフ、フォカヌポウ。 

 

と、姫との逢瀬(←?)を楽しんでいたのもつかの間、ある日姫の寺へのお参りの同行を申し付かったので候。

拙者は用心棒ということでござったが、明らかに姫の方が強い気が…

 

大体からして歩幅が全然違うので、ついていくのがやっとでござった。

「ちょ、ちょい待ち! はやっ! 足はやっ!」

とまるで足手まといでござった…。

途中からは姫の肩に乗っけて頂いていったのだが、まるで対等な存在ではござらん。

拙者、この時ほど落胆したときはござらん。

お参り終わって帰るまで、何の役にも立たなかったでござる。

 

と気落ちしていたら、なんと、ステレオタイプの鬼が姫をさらいに来たのでござる。

これぞ格好いいところを見せるチャンス!とばかりに鬼に戦いを挑み申した。

え? 怖くなかったのかって?

見くびってもらっては困る。

拙者は常日頃から、ゴキブリやらクモやらアリやハチの大群と、文字通り死闘を繰り広げているのでござる。

奴らの狡猾さ、俊敏さ、鉄壁さ、チームワークに比べたら、一匹の鬼など物の数ではござらん。

体の大きさも、ある程度以上になったら拙者からすれば皆同じようなものでござる。

これだけ体が大きかったら、拙者を飲み込む一択だろうし。

 

案の定、鬼は拙者を一飲みでござった。

「口くっさ!!」

あまりの口臭に思わず本音を漏らしながらも、鬼にわざと飲み込まれ、胃まで到達したらこっちのもの。

あとは胃の中を針でやたらめったら刺しまくるだけでござる。

こっちの思惑通り、鬼は拙者を吐き出して、這う這うの体で逃げ帰って候。

口ほどにもない。

「またつまらぬものを刺してしまった…」

と完璧な決め台詞を言ったにもかかわらず、姫は全然聞いてござらん。

オイ!

 

何をしているのかと思ったら、鬼が吐き出した打出の小づち(すげぇくせえ)を大事そうに持ってござった。

なにやら、これを振ったら何でも出てくるのだとか。

鬼の胃液まみれですげぇくせえ打出の小づちを普通に持っているのには若干引き申したが、それで拙者の背をぐんぐんと大きくしてくださった。

「背ぇ出ろ! 背ぇ出ろ!」

と。

何でも出るという触れ込みで、背を出すとは少々インチキ臭かった(とんちじゃねーんだからさぁ…)が…

正直、小づちを振るたびに鬼の胃液が降りかかってきて臭いことこの上なかったが、姫の身長を越して通常の男を上回る身長になれたのは、感無量でござった。

これで、姫ともあんなことやこんなことを…

ぐひひ。

 

そんな訳で、拙者可愛い姫と一緒になることができたのでござる。

付け加えておくと、拙者はグラマラスなスタイルが好きでござる。

姫はお世辞にも乳がデカい方ではござらん。

というか貧乳の部類でござった。

そこで、拙者は毎晩毎晩姫が寝静まった後に、姫の胸に向かって打出の小づちを振ったのでござる。

「胸出ろ、胸出ろ」

毎晩、気づかれないくらいちょっとずつ大きくして、今では拙者好みのグラマラスなボディを手に入れて候。

姫も、

「最近胸が重いんだけど…」

と喜々として語っていたので、問題ないでござる。

 

そうそう、拙者も身体の一部分だけ大きくしたでござる。

どこをデカくしたかは聞くだけ野暮でござる。

これこそが夫婦円満にいく秘訣で候。

 

今後訪れる食料危機にそなえて、美味しい食材増やしましょう

どんもっす。

 

さっきテレビ見てたら、スウェーデンノルウェー?の北の海中でタラバガニが増えまくっているとやってました。

何でもロシア人が北海道沖の海の中にいるタラバガニを、水産資源増やすために放ったらしいのですが、天敵がいないために増えまくったらしいです。

今はスウェーデン人の主食になってるとか。

 

これってこれからの地球の人口爆発による食料難を救うきっかけになると思いませんか?

 

名付けて、「美味しい食材を天敵いない場所に放って、パラダイス作戦」

 

ここで言う食料難とは、食べるものが無くなって餓死していくという意味合いではありません(エネルギー保存の法則からこれは考えにくい)。

私が言いたい食糧難とは、今まで食べられたものが今までと同じ値段で食べられなくなる、ということです。

 

日本食の美味しさに、海外の方々が気づいてしまって、伝統的な日本料理の原材料費が爆発的に上がってしまったのは記憶に新しいかと思います。

今後、色んな国が経済発展していって、なおかつ日本全体の国力が下がっていく中、日本食の色んな食材が高騰していくことが予想されます。

日本食美味しいですから。

お寿司とかね。

 

そこで!

美味しい食材(マグロとかカニとか)を天敵のいない場所に放って、増やしまくる作戦、題して

「美味しい食材を天敵いない場所に放って、パラダイス作戦」

を決行してみてはどうかと。

 

該当する条件は

①とにかく美味しい食材を選定

②天敵がいない場所に放つ

③繁殖能力が極めて高い

④草食(肉食でない)

 

①については説明不要。

マズい食材増やしても仕方がありません。

 

②も当然。

天敵がいる場所に放ったら、天敵に捕食されてしまい、天敵だけが増える可能性があって意味がない。

 

③も必須。

繁殖能力が低くて、中々増えない生物はこの作戦には向きません。

寄ってたかって狩られて終わりです。

 

④草食であること。

これが実は一番重要。

天敵がいない場所に放つわけですが、そいつ自信がとんでもない悪食だったら目も当てられません。

有名なのがブラックバス

彼は天敵がいない琵琶湖に心無い人が放ってしまったわけですが、悪食この上ない上に天敵がいなかったので、生態系がひっくり返ってしまうほど繁殖してしまいました。

しかもマズい。

一番最悪なパターンです。

 

天敵がいる場合、天敵自身が美味しければそこそこ行けるのですが、効率が悪い。

美味しい食材が餌になって天敵が増えても、1+1=1であまり意味がない。

 

それよりも、人間が食べられない食材(海藻とか草とかね)を美味しく食べて、すくすくと育つ食材が最も効率が良いわけです。

この意味で、牛とかは物凄いコストパフォーマンスが良いことがわかります。

草だけであんなに大きくなってくれるのは、人間にとってありがたいことこの上ない。

 

もちろん、草や海藻を主食とする生物が増えすぎたら、草関連の生態系が崩れる恐れがあるので、増えまくる前に人間が美味しくいただく必要があります。

この辺は試行錯誤を繰り返す必要があるでしょう。

 

というわけで、これから必ずやってくる食糧難(美味しい食材が適切な値段で気軽に飼入手できなくなる)時代に備えて、美味しい食材育てましょう。

 

 

ところで、話は変わりますが2016年の日本はやたらと山野での獣被害が報告されました。

熊、猪、鹿などなど。

これらの動物もすこぶる惜しいんですよね。

それぞれ日本国内では天敵がほとんどいません。

昔はニホンオオカミが天敵だったみたいですが、ニホンオオカミは絶滅してしまったので。

 

この中で、特に惜しいのが鹿。

奴らは滅茶苦茶繁殖能力が高いです。

産まれて一年以内に繁殖可能になります。

さらに草食。

熊や猪が増えすぎるとちょっと怖いですが、鹿が増えてもまあまあ怖くはないです。

畑や食物荒らされるのは怖いですが。

 

ただ、鹿はスタイルが良すぎて食べる部分が少ないが難点。

あと、動きが早いので中々仕留められないのも難点。

鹿刺しは非常に美味しいです。

 

熊、猪、鹿は日本人の経済活動の後退にあわせて増えすぎているので、これらの動物をやたらと増やしまくって、美味しく食す方法は今後考案していくべきかと。

 

では、今日はこの辺で。

 

長谷川豊アナがテレビ大阪の番組降板になって考えたこと

どんもっす。

 

フリーアナウンサーの長谷川豊さんがテレビ大阪を降板させられましたね…👇

テレビ大阪、長谷川豊アナの過激ブログで降板決定

 

事の経緯は、長谷川さんが自身のブログであまりにも過激な発言をしていたこと。

そしてそれが炎上してしまったこと。

 

私は長谷川さんのブログを読むのが好きで、毎回毎回楽しみに読んでました。

今回のような問題に発展してしまったのは非常に残念ですが、中にはやはり過激すぎる表現もあったので致し方ないことかも知れません。

 

今回の件、長谷川さんの主張を大まかに説明すると、

1.年々膨らみ続ける社会保障費はもう既に限界に達している

2.自業自得である人工透析患者については国が費用を負担すべきでない

 

これらに関する長谷川さんの主張&取材したことを世間に伝えるために、長谷川さんはあまりにも過激な表現を使っていました。

 

詳細は長谷川さんのブログである下記エントリあたりを参照してくださると良いかと。

医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!! : 長谷川豊 公式ブログ 『本気論 本音論』

 

で、今回の一連の件を横目で見ていて私なりに考えたことを記載しておきます。

 

 

①アナウンサーという言葉での伝達を生業としていたのに、やはり長谷川さんの表現は過激すぎた

長谷川さんのブログには度々、他人に対して「クズ」「馬鹿」「ゴミ」「殺せ!」などと言った過激な発言が出てきます。

やはりこれらの発言はあまりにも過激であったと言わざるを得ないでしょう。

 

長谷川さんがフリーで活動して、ブログを書いて世に主張しているのは、別に日本国民を馬鹿にしたい訳でもなんでもありません。

世間一般にはあまり知られていない事実を、長谷川さん自身の調査に基づいて広く周知し、そこに長谷川さんの見解を述べて、読者に、日本国民に自分たちで考えて欲しいだけなんです(と私は解釈しています)。

 

「日本はこのままではもうもたない」

「その理由は、これこれこれらの制度なり風習がはるか昔から変わらずに存在するから」

「皆さん、本当にこのままでいいんですか?」

と問うているわけです。

 

ネットなどで自身の意見を拡散させるためには、炎上が最も簡単です。

上記言葉を長谷川さんが炎上目的で使っていたのかどうかは知りません。

今回の炎上騒ぎで多くの方々が長谷川さんのブログ(コラム)に目を通したことでしょう。

しかし、炎上騒ぎのほとんどが当事者へのバッシングです。

つまり、長谷川さんの意見やブログに対して否定的な考えを持った方々による騒ぎなわけです。

 

長谷川さんのブログには確かな根拠が存在するし、その力強い物言いは確かに人々の心に響くかもしれません。

今回の件では、それがプラスでない可能性が極めて高い、ということです。

 

長谷川さんの書き方では、予期せぬ場所で敵を作ってしまう可能性が非常に高いです。

結果、今回は長谷川さんの言いたいことが1割も伝わらずにバッシングを受ける羽目になりました。

童話「北風と太陽」で北風は力づく、太陽は暖かい包容力で旅人の服を脱がしますが、長谷川さんの発言はまさに北風のそれです。

それでは多くの人間の心をプラス方向に揺さぶることはできません。

 

まさに、長谷川さんが自身のブログで言及しているように、「自業自得」の事態になってしまったわけです。

多くの方に、より強く伝えるための言葉が結果として、見る方々の心にバリアーを作ってしまったのは、やはり言い方がまずかったということでしょう。

 

 

②皆さん、他人の文章はきちんと読みましょう そして自分の頭で考えて、その上で主義主張 or 批判しましょう

人それぞれ考えがあるのだから、長谷川さんの考えに同調できないのは当たり前です。

それについては、なんの問題もありません。

 

しかし、長谷川さんのブログのコメントやYahoo!ニュースでのコメントを呼んでいると、きちんと文章を読まずに批判しているコメントばかり…

ちゃんと最初から最後まで読んでいれば、長谷川さんが主張したいことはわかるはずなのに、明らかに主張とは違う解釈をして、その点ばかり責めるようなコメントを必死こいてして…

 

全国腎臓病協議会から長谷川さんへ直接抗議がいったみたいですが、その内容もやはりブログをきちんと読んでおらず、主張をきちんと理解していない内容でした(抗議文は取り下げられたようです)。

全国腎臓病協議会からすれば、抗議したいのは当然でしょう。

私も同様の立場だったら、長谷川さんへ抗議していたかもしれません。

しかし、全国腎臓病協議会の抗議文は的を射ていないものでした。

恐らくは、ネットの騒ぎのみ(要は伝聞のみ)で、真偽を確かめずに抗議したのではないでしょうか。

 

何時から我々日本人はこんなにせせっこましくなったのでしょう。

何時から我々日本人はこんなに心の狭い国民になってしまったのでしょう。

何時から我々日本人は自分の頭で真偽を見極めきれなくなってしまったのでしょう。

 

理由はわかっています。

平均賃金は20年前から上がらず、少子高齢化は進む一方、人口も減少し始め、地方都市も国民も疲弊しきっている。

これでは、心が狭くなって当然です。

 

そうなってしまった原因は、長谷川さんのブログで事細かに説明されています。

そうなってしまった日本の構造について説明されています。

それら全てが正しいことではないでしょう。

それでも、長谷川さんはいち日本人として、警鐘をならして国民に問うています。

このままでいいのか?と。

 

それを、少々言葉遣いが過激だからと言って、最後まで文章を読むこともせず、騒ぎに便乗して気にくわないからという理由だけで叩いてしまって良いのでしょうか?

 

長谷川さんのやり方や主張が全て正しいとは言いません。

でも、長谷川さんは正しいことをやろうとしている。

そういう人間をやたらめったら叩いてお終い! で本当に良いんでしょうか?

 

批判は当然あります。

全て同調できるわけはありません。

しかし、批判するのであれば、きちんとブログを読んで、自分の主義主張を含めた、次に繋がるような批判をしましょう。

問題提起をした人間を叩いて終わり! では、甘い蜜を吸い続けている本当に倒すべき相手が得するだけです。

 

世の中、面白くないこと多いです。

だからといって、長谷川さんのような方を叩いて鬱憤晴らしをしていたのでは、本当にこの世の中を面白くなくしてしまった奴らが得をするだけです。

日本国民一人一人が真剣に考える時期に来ているのだと思います。

 

 

③今回の人工透析についての私の考え

最後に、今回騒ぎになった人工透析患者の負担についての私の考え。

 

長谷川さんの主張は、医者のいうことも聞かずに自堕落な生活を送ってきた自業自得な患者の分を社会保障費で賄う必要はない、なぜなら増加の一途をたどる社会保障費が持たないから、というものです。

 

要は、

①全員で仲良く貧乏になって、ゆっくりと死んでいくか

②自業自得と思われる人を切り捨てて、助けられる人間だけを助けるか

 

ということについて、長谷川さんの主張は②ということです。

これについては… 本当に難しい。

私も②の方でした。

皆で仲良く死ぬくらいなら、自助努力をしている人、先天的なものである人などを助けられるだけ助けて、自業自得と思われる人は切り捨てる…

 

しかし、長谷川さんのブログのコメントに以下のようなものを見つけました。

皆が皆、自業自得と言えるわけではない。

昔は必死こいて仕事していたが、ストレスなどにより働けなくなってしまった人は大勢いる。

そのような人たちが、精神的に病んでしまって自堕落な生活を送り、挙句に病院や社会福祉のお世話になることは不思議でもなんでもない。

そしてそれは全ての人間に起こりうる。

 

そうなんです。

人間って凄い弱い生き物なんです。

何時自分が精神を病んでしまって、同じような状態に陥るかはわかりません。

こればっかりは誰にもわからないんです。

自分が同じ状態に陥ったときに、同じようなことが言えるか…。

上記②の考えは明らかに、社会的強者の目線で話していることです。

しかし、世の中には決して自業自得ではないのに、他人から見たら自業自得としか言えないような状態に陥っている人もいる…。

こればっかりは、その人の人生全てとそれを取り巻いていた環境を振り返ってみないとわからないんです。

 

今回の件に限らず、例えば成人になって犯罪を犯す人々に対して、あるいは道を外す人々にとって、その方々の幼少期が原因でないとは誰にも断言できません。

でも、幼少期に自分を取り巻く環境なんてほとんどどうしようもないでしょう。

その場合も自業自得なのでしょうか。

 

これらのことを考えると、自業自得だから、と言う理由で切り捨ててしまうのは、やはり違うような気がします。

このことについて、色々と考えてはみたのですが、解はでませんでした。

 

ただ、ずっと考えていきたいと思います。

解のない問題をずっと考え続けていると、いつかその問題に直面した時に色んな行動がとれるからと信じているからです。

 

最後に、

長谷川さん、負けるな! 長谷川さん、頑張れ~!

 

わらしべ長者の悔恨 本当は「怖い」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその③

わらしべ長者がリアルにいたら多分こんな感じ👇

 

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オッス、オイラわらしべ長者

 

オイラは超有名らしいから、オイラのエピソードを知らない人はいないと思うけど、念のため。

最初に手にしたワラを物々交換していって最後は大金持ちになるっていう有名な物語だ。

最初に言っておく。

あれ完全に出来レースだから。

現実にはそんな上手い話しはないってことを今日は伝えに来たんだ。

今日のオイラの話を聞いて、誤解を解きつつ目を覚ましてくれると嬉しい。

 

大体からして、物々交換ってのは等価交換のみ成り立つんだ。

つまり、価値が同じもの同士の物のみ交換可能ってこと。

この理屈で行けば、最初に手に入れたワラ(虫のアブ付き)と最後に手に入れた屋敷が等価値ってことになる。

常識的に考えてそんな訳ないだろ?

そりゃあ貨幣というものがなかった大昔は、強引な物々交換が可能だったわけだ。

野菜とお米を交換したり、食物の代わりに大工仕事をしたり、ってね。

でも、今は21世紀。

物と物の交換ではなく、基本的には物と貨幣の交換だ。

つまり大昔のように、物の価値を基本的には誤魔化せないってこと。

片方が一方的に損をする物々交換は今の世の中ではほとんど成り立たないんだ。

これは絶対に忘れちゃいけない。

 

前置きが長くなった。

そろそろオイラのエピソードを振り返りつつ、真相を明かしたいと思う。

 

あの日、オイラは観音様に願掛けに行ったんだ。

あまりにも貧乏で、日々の食にも困る有様だったから。

今冷静に考えれば、観音様にお願いに行くなんて当時のオイラも世間知らずなもんだ。

今なら迷わずハローワークに直行だ。

もしくは市の福祉課だね。

とにかく、この時の行動は悔やんでも悔やみきれない。

 

願掛けに行ったら、「初めに触ったものを大事に持って旅に出ろ」っていう観音様のお告げがあったんだ。

うさん臭さ満載だろ?

観音様なんている訳がない。

ましてやお告げがあるわけがない。

それでも当時のオイラはその言葉を信じて、ワラを持って旅に出た。

ホント、オイラもまだまだ青いよな…。

そんな言葉を信じて旅に出るなんて。

 

なんでワラかって?

観音堂から出たときに、石につまづいてうっかり手にしたのがワラだったのさ。

これにはさすがに向こうも焦ったはず。

ちっ! っていう舌打ちが聞こえたし。

え? 舌打ちしたのは誰だって?

…あ、いやこっちの話。

 

で、歩いていると顔の周りをアブが飛んでいたから、とっ捕まえてワラの先に結んでやったんだ。

ペットみたいで少し面白かった。

その瞬間、

「よっしゃ!」

とか

「これで何とかなる!」

って声がどこからともなく聞こえてきたんだ。

え? 声の主は誰だって?

…あ、いやこっちの話。

 

ここまでは完全に偶然だ。

ここから先が完全に出来レース

要はここから先は筋書きがあったってことだ。

 

しばらく歩いていると、大泣きしている男の子がいたんだ。

オイラのアブ付きのワラを見て、面白がって、欲しいとねだってきた。

観音様のお告げを破ることになるから、できれば交換したくなかったんだけど。

どうしたものかと思案していると、母親が、持っているみかんと交換していただけないかと懇願してきた。

「どうかどうか、このみかんとそのアブ付きのワラの交換をおおおぉぉおおぉぉおおをおおぉぉぉん!!」

あまりの剣幕に思わずたじろぎ、言われるがままにアブ付きのワラとみかんを交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

物々交換した瞬間、母親の目がギラリと光った気がした。

後から考えると、気のせいじゃなかったんだ。

どこからともなく、

「うきゃきゃきゃきゃ!」

っていう心底楽しそうな声も聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…ああ、いやいやこっちの話。

 

もうこの時点で設定が破たんしてるだろ?

だって、最初に手に入れたものを大事に持って旅に出ろ、って言われて1時間もしないうちに手にしたワラを手放してるんだもの。

こんなんで幸せになれる訳がない。

でも、オイラは良いことしたから清々しい気持ちになってたんだ。

人を疑うってことを、当時のオイラはまだ知らなかったから…。

今にして思えば、あの子供も無理やり母親に泣かされていたんじゃなかろうか。

体のどこかをつねられたりして…。

そう言えば、妙に赤くなったほっぺたを押さえていたな…。

はは、まさかね…。

オイラの考え過ぎであることを祈ろう。

 

観音様のお告げは守れなかったなぁと思いながら、みかんをお手玉しながら歩いていると、今度は喉の渇きを訴える商人に出会ったんだ。

あまりにも喉が渇いていたらしく、商人の持っていた上等な反物とオイラの持っていたみかんとの交換をお願いしてきた。

いよいよ怪しいだろ?

当時の反物は相当な高級品だ。

現代で言えば、ちょっとしたバイクくらいの価値がある。

それとみかんの交換だ。

どう考えてもおかしい。

大体からして、商人が旅をするのに川の位置を知らないはずがない。

生き死にに直結するから、水や食料の調達場所は調べてあるはずなんだ。

初めて訪れる場所でもないだろうし。

山賊にあったならまだしも、普通に計画不足で行き倒れている商人なんて見たことも聞いたこともない。

しかもしかも、その時は雨が降っていたんだ。

そのことを突っ込もうとすると、大声でかき消された。

「え? でも今雨降ってるから、それで潤せば…」

「喉が渇いて渇いて仕方ないんですよぉおぉおぉぉお!! そのみかんをくださいいぃぃぃいぃいいいぃいーっひっひっひっひっひひひのひ!!」

あまりの剣幕に思わずたじろぎ、言われるがままにみかんと反物を交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

物々交換した瞬間、その商人はニヤリと笑ったんだ。

確かに笑った!

ってか、そんなに喉がカラカラならみかん一つでは足りないだろうに。

薄気味悪かったからその場から離れようとすると、商人は水を得た魚のように走り去っていった。

超元気じゃん。

どこからともなく、

「ぷひひひひ!」

っていう心底嬉しそうな声も聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…ああ、いやいやこっちの話。

 

なんか変だなぁと思いながら歩いていると、今度は侍に出会ったんだ。

その侍は愛馬が急病で倒れてしまったんだけど、急いでいるために馬を見捨てなければならない、と言ってきた。

そして案の定、反物と馬との交換を申し出てきた。

病気にかかった馬と上等な反物とを交換するのは非常に心苦しいが…って言ってたけど、病気さえ治れば馬は超高級品だ。

現代で言えば、ちょっとした高級車くらいの価値がある。

病気にかかったとはいえ、元気になれば物凄い価値になる。

願ってもない話だ。

…というか、当の馬は元気に走り回っている。

どう見ても病気には見えない。

「え? でも、元気に走り回っている気が…」

とオイラが言い終わる前に、

「ああいう病気なんだ。走り回ってないと死ぬ。そういう病気なんだよ、あれは。な? そうだろ?」

と言うが早いか、オイラの喉元に刀を突きつけてきた!

ヤバい、目がマジだ!

若干ヨダレも垂らしている!

すげえ、くせえ!

なすすべもなく、言われるがままに反物と馬を交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

交換した馬に水を飲ませたら大人しくなった。

喉が渇いていただけか。

馬なんていう高級品を手に入れたにもかかわらず、オイラの心はもやもやしていた。

今後何が出てくるんだろう?

どこからともなく、

「@:#$%¥*+;&?!」

っていう文字では到底表せない、わめき声のようなのも聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…いや、ほんとにこっちの話。

 

んで、仕方ないから馬に乗ってパカランパカランしてたら、屋敷にぶち当たった。

ちょうど?旅に出ようとした主人が、屋敷の留守を頼んできて、代わりに馬を借りたいとか言ってきた。

「え? これから旅に出ようというのに、馬も用意してなかったんですか…?」

とツッコんだら、

「…………………………………………………………………………………」

と無言で詰め寄られた。

期せずして見ず知らずのおっさんと見つめ合うこと5分、ついにオイラが折れてしまった。

そう、屋敷と馬を交換させられた。

主人は、旅から帰ってこなかったら屋敷をオイラに譲ると言い出した。

…これ絶対帰ってこないパターンだよ。

案の定、主人は帰ってこなかった。

永遠に。

 

どこからともなく、

「作戦完了」

っていう声が聞こえた。

え? 声の主は誰だって?

…そうだね、ここまで言ったら正体を明かさないといけないね。

 

声の主は、オイラが最初に訪れた観音堂の住職だ。

生臭坊主だ。

全てはこいつが仕組んだことだったんだ。

 

どういうことかって?

説明しよう。

あれから、オイラが住みはじめた屋敷にはひっきりなしに人が訪れた。

皆同じことを聞いてきたんだ。

「観音堂でお祈りしたら、屋敷が手に入ったって?」

 「え、ええ。そうですけど…」

 決してオイラは嘘は言ってない。

だって本当のことだもの。

 

それからというもの、あの観音堂には日本各地から人が訪れた。

当時は、ネットも電話もない時代だ。

人々の信仰心というものは今とは比較にならない。

噂を聞いた人々が、自分もあやかろうとして願掛けにやってきたのだ。

そしてその人々が収めるお賽銭の額がまた尋常じゃなかった。

現代の価値で言えば、軽く兆は超えていた。

 

これでわかったろ?

全ては、自分のお堂の評判を広めるために、お堂の生臭坊主が仕組んだことだったんだ。

オイラが途中出会った人々は、賽銭を握らされていたんだ。

だから皆あんなに必死になって、物々交換を申し出たんだ。

全ては生臭坊主のシナリオどおりだった。

一つだけ誤算があったとすれば、オイラが最初に掴んだものがワラだったこと。

いくら何でも、ワラとの物々交換は不可能だ。

だってそこら中にあるもの。

…まあそれでも彼らなら強引に交換をせまってきそうだけど。

だから、オイラがアブをワラの先につけなかったら、こうはなってなかったかも知れない。

 

え? 屋敷も手に入ったのに、なんで後悔しているのかって?

一人だけ消息不明な人がいるだろ?

そう、屋敷の主人だ。

彼が帰ってきてしまったら、オイラは屋敷から出ないといけない。

そうすると元の通り、無一文だ。

となると、観音堂のご利益は嘘っぱちってことになる。

屋敷の主人に幾ら握らせたのかは知らないけど…でも、人の心なんていつ変わるかわからないだろ?

 

屋敷の主人が永遠に帰ってこないようにするには?

そういうことだ。

但し、これはあくまでオイラの推測だ。

オイラのこの推測が間違っていることを夙に願ってやまない。

 

とにもかくにも、上手い話はその辺に転がってないってことだ。

人間、真面目に働くのが一番だ。

皆、肝に銘じておいてほしい。

 

さ、そろそろハローワークに行かなくちゃ。