どんもっす。
受験追い込みシーズンですね。
ほとんどの私立高校や私立大学の一般入試はその日程を終えて、公立や国立の一般入試に向けて、多くの学生が最後の追い込みをしていることと思います。
私も、受験生に勉強を教えているのですが、成績を上げるために、志望校に受かるために何が重要か、自身の体験や教えている子供及びその家庭を見ていて、気づいた点、考えた点を記載したいと思います。
これが、何らか受験生及び受験生を抱える家庭の一助になれば。
家庭環境は子供の成績に大きく影響する
10代の多感な子供たちにとって、家庭環境というのは非常に重要なファクターです。
親御さんたちが考えている以上に、家庭環境は子供たちの成績に影響を及ぼします。
10代の子供たちというのは、承認欲求が非常に強いです。
昨今の、SNSにハマって過激な動画や写真をネット上にアップしてしまう未成年の子供達を見ていると、理解できるかと思います。
キッチン、ダイニングを勉強の場にすると子供の成績が伸びる、というのもここからきています。
皆が集まる場で勉強することにより、努力していることを皆に、特に家族に知ってもらいたい、認めてもらいたいという欲求があるからです。
私自身、高校受験、大学受験ともにキッチンで勉強していました。
キッチンには常に母親がいて、食事が終わるとテーブルの上を勉強しやすいように片づけてくれていました。
早朝から勉強していた時は、朝早くから父親が起きてきて、目の前に座って本を読んでいました。
私は期せずして、物凄く勉強しやすい環境で勉強できていました。
この点について、両親には本当に感謝しています。
私が教えている、とある子供は、教え始めた当時は理数系の成績がよくありませんでした。
中学3年生の9月の段階で、九九が完璧にできない状態でした。
ご両親は、お子さんが理数系が全然ついていけないことを心配してましたが、その子の勉強の環境を見て納得いきました。
私が初めてその子の勉強を見るためにお邪魔した時、その子は広い一軒家で一人で孤独に勉強していました。
ご両親は共働きで、その他の親族の方々も皆仕事や学業で忙しく、誰もその子の努力を常日頃から見ている人はいませんでした。
勉強なんて面白くないんです。
とりわけ、苦手科目の勉強なんて一人でやってられるわけがありません。
ましてや小学生の算数でつまづいてしまった子なんて、どこから手を付けていいのか、自分では絶対に分からないんです。
でも、誰かが傍で見ていてくれて、ほんの少し努力の後押しをしてくれる、何から始めればいいのか、ほんの少しで良いからアドバイスをしてくれる…それだけで、子供の勉強に関するモチベーションは天と地ほど変わります。
受験生を抱えているご家庭では、是非とも家庭環境の改善から行ってほしいと思います。
受験は孤独です。
受験当日、誰も助けてくれませんし、助けることもできません。
せめて、子供たちが勉強を楽しいと思えるようになる日が来るまでは、傍で見守ってあげるようにしてあげてください。
幼児からの触れ合いが何より大事
先程の家庭環境と若干かぶりますが、子供たちが勉強する習慣を身に付けるには、幼時からの家族の触れ合いが何より大事です。
これは科学的なデータも出ています。
良く、親が勉強しなさい!と言っても子供が言うことを聴かない、と言いますが当たり前です。
普段から信頼関係を築かずに、取ってつけたように勉強しろ!と言っても聴くわけがありません。
私が教えている子も、親に相当反抗的な態度を取る子供がいます。
親に対する反骨心が勉強に向けばいいのですが、大多数の子供たちはそうではありません。
元々やりたくないことを、反抗している人から言われても、やるわけがないからです。
言われると余計やる気をなくす、とは一見都合の良い言い訳のようにも聞こえますが、精神的には理解できます。
皆さんもそうでしょ?
やりたくないことを、嫌いな人から「やれ!」と言われて、やるようにはならないでしょう。
それよりも、普段から子供とスキンシップを取り、子供が将来何をやりたいのか…
行きたい高校、行きたい大学に合格するには何が必要なのか…
子供としっかりと向き合って話し合い、子供に勉強の重要性を諭すことができれば、子供たちは自然と勉強します。
これには、幼時からの子供との触れ合いが何より重要です。
子供との信頼関係は、一朝一夕には築けないからです。
幼少期からの子育てを手を抜いて、受験シーズンだけ親のツラをするのは、非常にナンセンスです。
子供たちが納得がいくわけがありません。
特に、今は共働きの夫婦が多くなっており、幼少期から子供を保育園に預けている家庭が多くなっているかと思いますが、それらのご家庭は本当に要注意です。
休みの日はしっかりとコミュニケーション取らないと、あなたたちのお子さんは親の言うこと聞かずに勉強しないコースまっしぐらです。
誰も彼もが東大に入れるわけではない
このことを記載しようかどうか迷いましたが、やはり書くことにします。
勉強というものも、やはり素質や才能というものが存在します。
そこには、見えない壁や天井というものが確かに存在しています。
日本人が、100m走では決して黒人たちに勝てないように…。
努力でどうこうできる世界ではない、これが勉強の世界でも当てはまるんです。
子供たちを全員東大理三類(国内の大学で最難関)に入れた主婦が話題になりました。
その主婦が書いた、どういう子育てをすれば受験に良いか書いた本が馬鹿売れしたみたいですが、断言できます。
その本を読んで同じことを実践したところで、あなたのお子さんは、東大理三類には入れません。
もっと言えば、東大、京大には入れません。
なぜか?
この家庭のご両親(恐らく二人とも50代)は、2人とも頭が滅茶苦茶良いからです。
旦那さんは弁護士です。
この当時の弁護士試験は、その倍率と相まって日本国内で最も難しい試験と言われています。
また、子育てを主に担当した奥さんは津田塾大学卒業です。
今現在50代の女性で、地方出身者で津田塾大学を卒業した人なんて、エリート中のエリートです。
つまり、両親ともに真のエリートなんです。
子供たちがエリートに育つのなんて、当たり前です。
勘違いしないでください。
このご家庭の子供たちが努力していない、と言っているわけではありません。
このご家庭の子供たちが、才能のみで東大理三に受かったと言っているのではありません。
子供たちも死にもの狂いで勉強したはずです。
が、そもそもにおいて、この子供たちは東大に受かるだけの素養を持っていたということです。
親の期待に100%答えるだけの土台を最初から持っていたということなんです。
蛙の子は蛙なんです。
鳶が鷹を生むなんてことはありえないんです。
遺伝というものは本当に恐ろしいものです。
顔立ちや病気が遺伝して、頭の良しあしが遺伝しない、なんてことはあり得ません。
もちろん例外はありますし、国内の大学受験程度なら、さほどそれらの影響を感じないで済む場合もあるでしょう。
偏差値60程度までの大学なら、努力次第では何とかなるという側面もあります。
しかし、子供たちに過度の期待と無理を強いるのは決して得策ではありません。
子供たちが必死に勉強して、その結果たとえ落ちることになったとしても、子供たちの努力を認めてあげて、褒めてあげてください。
高校や大学に受かることがこの世界の全てではありません。
大学に入っても何もない
最後に、大学受験を控えた子供を抱える多くの親御さんや親族の方々が勘違いしていることを正しておきたいと思います。
大学全入生時代が到来し、親御さんたちは、今の時代大学くらい出ておかないと…と思ってらっしゃるみたいです。
その多くは、ご両親ともに大学を出ておらず、親族の方にも大学に入っていない方々ばかり、というご家庭が非常に多いです。
自分たちが大学に行ってないからこそ…子供は大学に行かせてやりたい。
大学に入れば、何らか道が開けるはず…
大学には何かがある…と思ってらっしゃる親御さんたちが多いです。
多くの親御さんたちがこういう風に思っているようですが、それらは勘違いです。
大学には何もありません。
高い授業料を払って、四年間という長い時間を過ごし、おおよそ手に入るのは該当する大学を卒業したという証のみです。
そして、ほどんどの大学がそれらに見合った価値を提供できていないのが現実です。
明確な目標があり、大学に入って勉強したいことがある、やりたいことがある、ということであれば反対はしません。
が、とりあえずやりたいこともないから何となく大学に行く、ということであれば、大学に行くことはお勧めしません。
というよりも、何となく大学に行くのであれば、所謂旧帝大レベルであれば問題ありませんが、それらのレベルに達しない大学(概ね偏差値60以下の大学)に何となく行くことは絶対に推奨しません。
それが私立大学であればなおさらです。
これは私一人の考えではなく、有名大学を卒業した知人の共通の認識です。
夢や目標がなく、何となく大学に行くのであれば東大以外には意味がない、と言い切った知人もいたほどです。
これからの時代、大学を卒業したというネームバリューはほとんど何の役にも立たなくなるでしょう。
有名大学を卒業した、多くの知人たちがそういう風に感じているということは、これは世間全体のトレンドなのだと思います。
大学受験を目指しているご家庭は、今一度、なぜ大学に行かせるのか、なぜ子供が大学に行きたいのか、をもう一度しっかりと話し合ってみてください。
大学に入ることが世の中の全てでは決してありません。