アマゾンが書籍の実店舗を展開した理由を考察
どんもっす。
結構前の記事なのですが、アマゾンがリアル店舗を展開するという話。
記事の一部を引用します。
アマゾンは昨年11月、シアトルに同社初のリアル書店をオープン。
各地の書店を廃業に追い込んできた当事者であるアマゾンのこの動きは世間を困惑させた。
なぜ今さらリアル書店なのか?
アマゾンのリアル書店では、各商品に添えられたプラカードに価格表示がなく、来店客が値段を知るにはアマゾン公式アプリがインストールされたスマホでカードをスキャンしなければならない。店は来店客のアマゾンアカウントの個人情報をもとに、その人に最適化されたサービスを提供し、購買意欲を促す。
将来的には、個人ごとに最適化された価格を提示することも考えられる。
オンラインショッピングの雄であるアマゾンが今更リアル店舗を展開していることで話題になっています。
アマゾンの狙いや如何に?というところですが、考えたところこんな感じかなぁと。
①倉庫をリアル店舗にする、料理教室方式による利益拡大
②ついで買いによる利益拡大
③リアルとネットでの相違点の情報収集
①倉庫をリアル店舗にすることによる利益拡大について
皆さんは、裕福層が住む住宅街にある、全く流行ってないフランス料理屋(もしくはイタリヤ料理)を見たことはありますか?
あれ、なぜ潰れてないのか疑問に思ったことはありませんか?
ああいう店舗が潰れない理由は、料理教室、だからです。
普段は周辺の裕福層の主婦の方々相手に料理教室を行います。
それだけで、経営としては黒字が出るんです。
でも、料理教室なんて平日昼間くらいです。
平日の夜や土日は主婦の方々が忙しいので、料理教室開いても誰も来ないです。
そこで、料理教室として使っている場所を開放して、それらの時間帯は一般客相手の料理屋をやっているんです。
なので、この料理屋をやっている時間帯は人が来なくても全然構いません。
来ればラッキー!くらいの考えです。
アマゾンもこの考えが多少なりともあるのではないかと。
アマゾンは配送の都合上、各地に商品を置いておく倉庫が必要になってきます。
その倉庫を多少改装して、実店舗として展開することは何ら不思議ではありません。
特に倉庫は大都市近辺にあるので、実店舗へ足を運ぶ客は相当多いと考えられます。
そう考えると、実店舗を展開して黒字を出すのはそんなに難しいことではないと考えられます。
各地の他の同業のリアル店舗を潰した今なら尚更集客可能です。
②ついで買いによる利益拡大
買う商品が決まっている場合、私はアマゾンで購入します。
外出するのめんどくさいし、ネットの方が安いし。
でも、買う商品が決まっていない場合、リアル店舗に足を運びます。
リアルの書店を歩き回って何か面白そう本はないか、と探して購入するのは結構楽しいです。
これがネット上で、「この商品を買った人はこんな商品も購入しています」だと全然買う気にならないんです。
他人の購入している商品なんて興味ありません。
なので、リアル店舗で実物を見せるのは非常に重要だと思われます。
また、このアマゾンが展開するリアル店舗では値札がないらしいです。
アマゾン公式アプリがインストールされたスマホでカードをスキャンしなければならないらしく、若干めんどくさそう。
最初にリアル店舗を展開すると聞いて、ネットで購入するのが憚られる層(現金購入が主な人)をターゲットにしているのか?と思ったのですが、このことからどうやら違うな、と。
専用アプリをインストールしたスマホを使っている層は、ほぼ確実にネット注文している層(もしくはしたことがある層)です。
もちろん、例外もいるでしょうが、ほとんどいないでしょう。
で、このスマホで値段確認は何がメリットなのか?
答えは、客それぞれに値段設定をできる点、でしょう。
過去のデータと比較して、アマゾン側にも利益が出る範囲で、どの程度の値段設定ならこの顧客が購入してくれるかを算出するのは容易でしょう。
但し、これは通常のネット販売でも可能であるので、理由としては少し弱そうです。
③リアルとネットでの相違点の情報収集
リアルとネットで購入されやすい商品ってありますが、これは書籍にも言えることです。
芥川賞や直木賞を受賞した作品はネット上でも売れますが、知名度が今一つである作品はネット上では売れません。
そのため、リアル店舗での宣伝が必要になってきます(極論、アマゾンであれば人気商品は実店舗にほとんど置く必要がない)。
リアル店舗に並べた状態でも、書籍によって顧客の反応にはやはり相当差がつくでしょう。
1.実際に購入される商品
2.カードをスキャンして値段確認はされるが、購入されない商品
3.値段確認すらされない、見向きもされない商品
これらは全て異なる戦略が必要になってきます。
1.で言えば、今後ネットで購入してもらうにはどうすればよいか。
2.で言えば、その場で購入していただくにはどうすれば良いか。
3.で言えば、今後注目していただくにはどうすれば良いか。
顧客層から、書籍の見た目、帯などの謳い文句、実店舗での配置などなど、得られる情報は相当多いでしょう。
その中で、売れる理由と売れない理由、見向きもされない理由それぞれ分析し、対策を考えることは非常に重要なはず。
例えばこれまでネットで購入されなかった商品がネットで購入されるようになれば、その分実店舗には別の商品を配置して宣伝することが可能になります。
このようにして、ネットでは売れなかった商品の販売数を飛躍的に伸ばす対策をとることが可能になるわけです。
ということで、アマゾンが実店舗を展開した理由を考えてみました。
が、本当のところはアマゾンのみぞ知るところです。
今後のアマゾンの動向に注目ですね。