電通の過労自殺を受けた残業抑制策が全然対策になってない件
どんもっす。
新入社員が過労自殺した件で、電通が残業抑制策に乗り出しました👇
以下、記事を一部抜粋。
広告代理店最大手・電通は24日、新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺を受けた残業抑制策として、午後10時に社内全館を一斉消灯した。25日以降も午後10時~翌日午前5時、毎日消灯する。
対策方法が完全に世の中をなめてます。
なめ腐ってます。
これで、労働局が
「よっしゃよっしゃ、わしらの忠告効いたんやな」
とか思ってるのであれば、日本の社会は完全に終わっています。
電通のやった対策では、何一つ改善されません。
従業員の仕事時間を減らそうと思うと、以下の対策しかないからです。
①従業員の数を増やす ⇒ 一人当たりの負担軽減(但し給料も減る)
②仕事の量を減らす ⇒ 一人当たりの負担軽減(但し給料も減る)
③労働生産性を上げる ⇒ 一人当たりの処理能力向上
このうち、①の従業員の数を増やすのはそう簡単にはできません。
売り上げや本社ビルの敷地面積の問題、即戦力となりうるか否かなどなど。
②の仕事の量を減らす=売り上げを落とすことであり、電通は死んでもこの作戦を取ることはないでしょう。
最も現実的であり、皆が幸せになりうる可能性があるのが③の労働生産性の向上。
つまり、1人当たりの処理能力を向上させることです。
当然、人間だけに仕事をさせるわけではなく、必要に応じて機械化やI on Tの投入など色々な作戦が考えられるでしょう。
しかしこの方法は電通のように肥大化しすぎた企業で採択するのはほぼ不可能です。
伝統的な昭和的な働き方をしている電通に今更生産性を上げろ!というのは、プロのバスケット選手に今からメジャーリーグを目指せ!ということと同じくらい理不尽なことなのです。
一度組織そのものを完全に解体して、トップの経営陣の首を挿げ替えて…くらいしないと不可能でしょう。
何せ、
「仕事が終わらないのであれば、根性と気合と時間でカバー」
するのが当たり前と思っているような企業です。
「生産性を向上して、皆で有意義な余暇を過ごしましょう」
なんて話になるのは夢のまた夢、という話です。
ってか、電通だったら、労働生産性が向上したら、さらに仕事取ってきてもっとお金稼いで…っていうスパイラルに陥りかねません。
結局どこまで行っても、今の体質を完全に作り替えなければ、電通という組織は変わらないでしょう。
電通の行った労働時間の規制は愚の骨頂
夜の22:00~朝5:00までは完全消灯することに決めた電通。
しかし、これをやっても悲しいかな、仕事は少なくなりません。
少なくなるのは見せかけの労働時間だけ。
家に持ち帰ったり、休日返上で働く人が増えるだけです。
むしろ電通にとってはいいことかも知れません。
見せかけの残業時間が減るから、今までよりも格段に労働局などへの申請は楽になるでしょう。
でも、従業員にとっては…ですね。
しかも、全然反省してないのか、反省している様子を見せる気がないのか、天下の電通だからそんな簡単に折れたくないのか、完全消灯は夜の22:00~朝5:00だけです。
これは逆に考えたら、朝の5時から夜の22時までは気兼ねなく働けるということです。
実に17時間。
休憩はもちろんないでしょう。
土日も返上したら、月の労働時間なんてあっという間に法規を超えてしまいます。
うーむ。
電通はもはや改善する気はなさそうですね。
政府も最近、日本全体で金曜日の15時に仕事終えて余暇を楽しんで消費を喚起しましょう云々みたいなこと言ってますが、何を考えたらそんな案が出せるんでしょう?
仕事時間を縮めても仕事はなくならないし、誰も得しません。
なくなるのは見せかけの労働時間と残業時間だけです。
企業が得するだけで、従業員は誰も得しません。
上にも書きましたが、給料を上げつつ労働時間を減らすには、労働生産性を上げるしか方法はありません。
この方法を皆で共有するか、日本国民一人一人に根付かせるしか解はないんです。
恐らく、日本国内にこういう意識が根付いてないのではないかと私は考えています。
残業時間って、残業代が出る限りは、人によっては有り難いものです。
家に帰ってもやることもなかったり、先月ちょっと使い過ぎたから今月ちょっと労働時間伸ばして、お小遣い稼ぎをする…
それが常態化しすぎた結果であるように思います。
・労働生産性を上げる ⇒ 人よりも多くの仕事をハイクオリティでこなして、基本給やボーナスの額を上げる
もしくは
・労働生産性を上げる ⇒ 人よりも短い時間で仕事を切り上げて余暇を楽しむ
っていう考えがなく、
労働生産性を上げる ⇒ 家に早く帰ってもやることないので却下
労働生産性を上げる ⇒ 残業時間が減って、収入が減るので却下
っていう考えになってるのが問題ではないかと。
日本国民全員に、労働生産性を上げる意識を根付かせることが何よりの解決策でしょう。