シャア専用ねこのブログ

鳥取の宣伝をメインに、日々の雑感や体験、出来事などをてきとうに記載

鬼の独白 本当は「優しい」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその⑤

鬼がリアルにいたら、多分こんな感じ👇

 

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あ、どうも。

鬼っす。

見たまんま鬼っす。

日本昔話に限らず、色んな話に昔から出てくるから、日本で一番有名な敵キャラじゃないかと思ってるっす。

 

まあ、一口に鬼と言っても色々いるっす。

赤鬼、青鬼、一鬼…

基本皆良い奴っす。

でも、大きな体と怖い風貌の為か、世間では俺たち鬼はいつも悪者っす。

何も悪いことしてないのに親の仇みたいに追い回されるっす。

 

世間一般のイメージはとんでもない誤解っす。

今日はその誤解を解きに来たっす。

 

例えば、日本昔話ではちょいちょい村の娘をさらいに鬼がやってくるっす。

大体物語の主人公が、とある村に到着した直後位に鬼がやって来るっすが、タイミング良すぎと思わないっすか?

あれ、演出の為にわざわざタイミング合わせて出向いてるっす。

非日常的な事案を通じて知り合った男女は結ばれやすいっす。

統計データでも出てるっす。

 

つまり、主人公と村娘をくっつけるためにわざわざやってることっす。

大きな声では言えねっすが、お世辞にもカッコいいとは思えない主人公もいるっす。

そういう主人公の為に、俺たち鬼が一肌脱いでる訳っす。

その証拠に、鬼側はあっさりやられるっす。

人間の通常攻撃なんか、痛くも痒くもないっす。

でも、皆痛がったふりをして、負けたふりをしてるっす。

そのおかげで、今まで何組ものカップルが生まれたっす。

俺たちは恋のキューピッドって奴っす。

物語はハッピーエンドと相場が決まってるっす。

 

え? そうは言っても、娘を何度もさらっている鬼もいるって?

それも誤解っす。

確かにさらうかも知れねっすが、ちゃんと村に帰してるはずっす。

多分、一緒に酒盛りとかしているはずっす。

 

最大の勘違いとして、鬼が人間を食べるという先入観があるっす。

人間なんか食べねっす。

食べたことないっすが、絶対にマズいっす。

 

鬼も普通に野菜とか牛とか豚とか魚を食べるっす。

普通に美味しい食材がその辺にあるのに、わざわざ人間食べる鬼いねぇっす。

 

人間に欲情することもないっす。

よくよく見てほしいっす。

人間と鬼、全然見た目が違うっす。

人間の村娘に恋をするのは、人間が他の生物に恋するのと同じくらいあり得ないことっす。

なので、さらって変なことをしているというのも全くの誤解っす。

 

え?

ああ、賽の河原…。

あそこはブラックっす。

人間の子どもが必死こいて積み上げた石を叩き壊す…。

人間の、いや鬼の所業じゃないっす。

俺たち鬼も嫌々やってるっす。

楽しんでなんかないっす。

 

大体からして、生物の子供は万物共通して可愛いっす。

犬や猫、象やゴリラやライオン…

皆可愛いっしょ?

子供は種族を越えて、可愛いもんっす。

鬼から見た人間の子供も例外ではねぇっす。

そんな子供たちが一生懸命積み上げた石を崩すのに、心が痛まねぇわけねぇっす。

 

しかも、賽の河原に来る子供たちは、現世で親よりも早く死んだからその親不孝の報いを受けるために連れてこられるっす。

この設定考えた奴、頭おかしいっす。

親より早く死にたい子供なんているわけねぇっす。

親より早く死んでしまう子供たちの大半が、病気や不慮の事故、虐待によるものっす。

現世で散々な目にあって、あの世でも苦行を受けるんす。

正気の沙汰じゃないっす。

 

え? じゃあなんであんなことしてるのかって?

ノルマっす。

俺たち鬼も雇われている以上、嫌なことでもやらないといけないっす。

あんたら人間のサラリーマンと同じっす。

閻魔大王の命令っす。

あ、ここだけの話でお願いするっす。

 

なので、年度始めの鬼事異動では、皆戦々恐々っす。

賽の河原勤務になったら、完全に外れっす。

鬱になって、仕事辞める奴も出てくるっす。

 

そもそも論として、積んだ石を崩さないといけない理由については、古いしきたりとかこの世の決まりとかそういうことっす。

太陽が東から昇るのと同じで、はるか昔から決まっていることっす。

俺たちに文句言われてもどうしようもないっす。

最終的に石を積み上げることに成功したら地蔵菩薩が救済してくれるらしいっすが、この地蔵菩薩が作った設定じゃないかと睨んでるっす。

自分の株を上げるために…。

あくまで推測っす。

よもやま話として聞いといて欲しいっす。

 

とにかく賽の河原で、喜々として仕事している鬼は一人もいないっす。

信じてほしいっす。

 

 

え? 酒呑童子先輩?

もちろん知ってるっす。

鬼界では、カリスマっす。

レジェンドっす。

マジ、パネェ存在っす。

ちなみに、高校の先輩っす。

当時は滅茶苦茶モテたっす。

いや、酒呑童子先輩が、っす。

子分も滅茶苦茶いたっす。

 

別の高校に行ってしまった茨木童子先輩とは子供の頃から仲が良かったっす。

いや、酒呑童子先輩が、っす。

大人になってからは良く俺も一緒に飲みに連れて行ってもらったっす。

 

別々の高校に行ってしまった酒呑童子先輩と茨木童子先輩が、一度だけ些細なことがきっかけで対立してしまう事件があったっす。

これは事件も事件、大事件だったっす。

お二人とも高校の後輩や子分を引き連れて、3丁目の工場跡地でぶつかったっす。

お互い300鬼くらい引き連れての大戦争!っていうマンガみたいな展開だったっす。

鬼同士の喧嘩はやばいっす。

人間同士の喧嘩だったら、せいぜい釘バットっす。

鬼はリアルにこん棒持ってくるっす。

あのトゲトゲのついた奴っす。

最終的には警察も出動したくらいっす。

 

あ、俺は家で風邪ひいて寝てたっす。

今のも他鬼から聞いた話っす。

 

お二人とも最初は人間だったけど、なんやかんやで鬼になったと言われてるっすが、大きな誤解っす。

お二人とも元から鬼っす。

子どもの頃近所に住んでたから知ってるっす。

ってか、人間は鬼にはなれねっす。

 

このお二人のお蔭で、様々な伝説が生まれてしまったっす。

「鬼」という形容詞が色んな意味で使われるようになったのもこのお二人のせいっす。

「強い」「悪い」「怖い」「ものすごい」「粗い」「大きな」「固い」…。

 

良く、「鬼のように強い」とか、「お前は鬼か!」といった言葉を聞くっすが、あのお二人見てると納得っす。

ちなみに、「鬼」には「ものすごい」という意味も含んでいるので、「鬼のように弱い」という使い方もあながち間違ってはないっす。

 

 

そんなこんなで、鬼も基本的には人間と同じっす。

もちろん、中には酷いことする鬼もいるっす。

でもそれは、人間も同じことっす。

 

これで誤解を解いて、今後は普通に接してくださると今回出てきた意味があるというものっす。

 

それでは、この辺で。

 

今から?

今からは外回りっす。

今月のノルマまだこなせてないっす…。

とほほっす。

 

一寸法師の猥談 本当は「ゲスい」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその④

一寸法師がリアルにいたら多分こんな感じ👇

 

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拙者、名を一寸法師と申す。

その名の通り一寸ほどの身長で生まれてきて、最終的に180cmを越える身長になってしまうという、オーバーテクノロジーを超越した何かを受けた身として、世間的には知らない者はいないと確信しているでござる。

 

しかし、その出生はギリギリでござった。

というか、日常生活全てがギリギリでござった。

 

考えても見られよ。

拙者、体の大きさが一寸一寸。

あ、いっすんいっすんではなくて、いっすんちょっと、ね。

…あ、ござる。

それで一寸法師

今の時代で言うと、3cm程度で候(そうろう)。

 

このサイズで活動することは、まさに日常生活そのものがデンジャラス。

拙者にとっては身の回りの生物全てが捕食者。

毎日拙者の命を狙う生物とのランデブーでござった。

犬や猫はもちろん、ネズミやカラス、ハト…

これらの生物はまだ良い方で、問題は昆虫で候。

カマキリやセミ、バッタ、ムカデ、ハチ、アリ、クモ、ゴキブリ…

アリやハチは大群で襲ってくるし、クモは巣を張ってエグイ罠にかけようとしてくるし、カマキリは何考えてるかわからないし、ゴキブリはキモイし…

というか、昆虫は総じて気持ち悪いでござる。

等身大で、お腹部分のグニャグニャしている部分を見せつけられることを想像して見られい。

 

一度ゴキブリの巣に迷い込んで、何十匹といる奴らが蠢く姿を見て、

「いやグロォ!! ってかキモっ!!!」

って叫んじゃったし。

…あ、ござる。

え? さっきから語尾が変だけど、キャラ作ってるのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

なお、きゃつらには拙者が護身用に持っていた針など一切役に立たなかったことは付け加えておくでござる。

むしろ、中途半端に攻撃を仕掛けて怒りを買うためだけに存在していたような無用の武器でござった。

大体針で刺された昆虫は、いきり立って襲い掛かってきたものよ。

ムフフ。

あの頃を思い出すと血がたぎってきたわ。

 

当然、そんな体だから、自然災害も並大抵のものではござらん。

ちょっと雨が降っただけで、簡単に流される始末。

段差も通常の人間の体感の50~60倍。

30cmくらいの段差も、拙者にとっては通常の人間に対しての15mくらいに感じるのでござる。

いや、こんな階段登れねーよ!ってなんどもツッコんでたし。

…あ、ござる。

 

そもそも、拙者が一寸だったのには理由があったのでござる。

父母である老夫婦が、子どもを授からなかったので、神様にお願いごとをするときに

「神さま、親指くらいの小さい小さい子どもでもけっこうです。どうぞ、わたしたちに子どもをさずけてください」

と念じたのが理由でござる。

で、神様がその願いを聞いてくれて、一生涯背丈が一寸の子どもを授けてく・れ・ま・し・た・よ、と。

 

いやー、良い話だね! って、バカヤロォ!

そんなバカな話があってたまるか!

お蔭でこちとら死と隣り合わせの毎日だよ。

…あ、候。

え? さっきから語尾が変だけど、キャラ作ってるのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

百歩譲って、体が小さいのは我慢できたでござる。

しかし、拙者がいたのは老夫婦の家。

どうせ養われるのであれば、若いおなごがいる家が良かった。

え?

何するのかって?

それはもちろん、この小さい体を活かして、あんなこととか、そんなこととか、こんなこととか…

ぐひっ、ぐひひひっ、ぐひひのひ!

いかんいかん、想像しただけでヨダレが…。

 

そういう訳で、拙者京の都を目指すことにしたでござる。

え? どうして京の都を目指したのかって?

たわけか、貴様は。

今までの話の流れからすれば、可愛いおなごが大勢いる京の都を目指すのは当然だろーが。

わざわざ、ジジババしかいない土地に行ってどうすんだ。

え? もうキャラ作りはやめたのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

で、旅立ちの日に餞別に用意されたのが、お椀の船でござった。

船というよりも、お椀そのものでござる。

これにはさすがの拙者も死を覚悟したでござる。

何のセイフティーもないお椀…。

ひっくり返ったら、川の藻屑でござる。

この老夫婦はとことんアホなのか…。

 

かなり逡巡したでござるが、命の危険に晒されているのは普通に暮らしてても同じ。

ならば、可愛いおなごと戯れることを夢見て旅出るのも一興か!と死を覚悟して旅出たのでござった。

まあ、欲望が勝った瞬間でござる。

 

お椀の旅は難解を極めて候。

揺れるわ、揺れる。

何度もお椀酔いで吐いたでござる。

ひっくり返ったら一巻の終わりなので、針の刀で舵をとって…

途中何度も虫の襲撃に会いながらも、辛うじて京の都に辿り着くことができたのであった。

日本昔話広しと言えど、ここまで命の危険に晒され、それでも生き延びた豪の者も珍しかろう。

 

京の都に着いたら、早速一番大きな屋敷を尋ねて候。

こういうのは、一番大きな屋敷を尋ねるのがセオリーでござる。

絶対に可愛い姫がいるはずだし、姫が可愛くないにしても侍女などが沢山いるはずで、その中には一人くらい絶対に可愛いおなごがいるはず。

自分好みのおなごと出会いたいなら、母数を増やす。

これ基本でござる。

 

ところが幸福なことに、その屋敷の姫は大層可愛いおなごであった。

美味しい!

美味しすぎるんじゃナイ?

え? もうキャラ作りはやめたのかって?

失敬な!

武士を愚弄するのであれば、切り捨てるぞ!

 

というわけで、正面から突撃。

拙者の体の小ささも手伝って、物珍しさが手伝ってあっさり採用されたでござる。

ぐしししし。

 

ふうむ。

ややや。

フムフム。

ほっほー、そう来ましたか。

おっほっほっほっほ、そうそう、そこそこ、そこは大事よ。

 

え? 何してるのかって?

当然、姫の湯浴みを覗いているのでござる。

これだけ体が小さいのだから、覗いてしまうのは不可抗力でござる。

大体、減るもんじゃなし。

拙者の普段の生活の際どさを考えたら、これくらい許されてもよかろう。

デュフフ、フォカヌポウ。 

 

と、姫との逢瀬(←?)を楽しんでいたのもつかの間、ある日姫の寺へのお参りの同行を申し付かったので候。

拙者は用心棒ということでござったが、明らかに姫の方が強い気が…

 

大体からして歩幅が全然違うので、ついていくのがやっとでござった。

「ちょ、ちょい待ち! はやっ! 足はやっ!」

とまるで足手まといでござった…。

途中からは姫の肩に乗っけて頂いていったのだが、まるで対等な存在ではござらん。

拙者、この時ほど落胆したときはござらん。

お参り終わって帰るまで、何の役にも立たなかったでござる。

 

と気落ちしていたら、なんと、ステレオタイプの鬼が姫をさらいに来たのでござる。

これぞ格好いいところを見せるチャンス!とばかりに鬼に戦いを挑み申した。

え? 怖くなかったのかって?

見くびってもらっては困る。

拙者は常日頃から、ゴキブリやらクモやらアリやハチの大群と、文字通り死闘を繰り広げているのでござる。

奴らの狡猾さ、俊敏さ、鉄壁さ、チームワークに比べたら、一匹の鬼など物の数ではござらん。

体の大きさも、ある程度以上になったら拙者からすれば皆同じようなものでござる。

これだけ体が大きかったら、拙者を飲み込む一択だろうし。

 

案の定、鬼は拙者を一飲みでござった。

「口くっさ!!」

あまりの口臭に思わず本音を漏らしながらも、鬼にわざと飲み込まれ、胃まで到達したらこっちのもの。

あとは胃の中を針でやたらめったら刺しまくるだけでござる。

こっちの思惑通り、鬼は拙者を吐き出して、這う這うの体で逃げ帰って候。

口ほどにもない。

「またつまらぬものを刺してしまった…」

と完璧な決め台詞を言ったにもかかわらず、姫は全然聞いてござらん。

オイ!

 

何をしているのかと思ったら、鬼が吐き出した打出の小づち(すげぇくせえ)を大事そうに持ってござった。

なにやら、これを振ったら何でも出てくるのだとか。

鬼の胃液まみれですげぇくせえ打出の小づちを普通に持っているのには若干引き申したが、それで拙者の背をぐんぐんと大きくしてくださった。

「背ぇ出ろ! 背ぇ出ろ!」

と。

何でも出るという触れ込みで、背を出すとは少々インチキ臭かった(とんちじゃねーんだからさぁ…)が…

正直、小づちを振るたびに鬼の胃液が降りかかってきて臭いことこの上なかったが、姫の身長を越して通常の男を上回る身長になれたのは、感無量でござった。

これで、姫ともあんなことやこんなことを…

ぐひひ。

 

そんな訳で、拙者可愛い姫と一緒になることができたのでござる。

付け加えておくと、拙者はグラマラスなスタイルが好きでござる。

姫はお世辞にも乳がデカい方ではござらん。

というか貧乳の部類でござった。

そこで、拙者は毎晩毎晩姫が寝静まった後に、姫の胸に向かって打出の小づちを振ったのでござる。

「胸出ろ、胸出ろ」

毎晩、気づかれないくらいちょっとずつ大きくして、今では拙者好みのグラマラスなボディを手に入れて候。

姫も、

「最近胸が重いんだけど…」

と喜々として語っていたので、問題ないでござる。

 

そうそう、拙者も身体の一部分だけ大きくしたでござる。

どこをデカくしたかは聞くだけ野暮でござる。

これこそが夫婦円満にいく秘訣で候。

 

今後訪れる食料危機にそなえて、美味しい食材増やしましょう

どんもっす。

 

さっきテレビ見てたら、スウェーデンノルウェー?の北の海中でタラバガニが増えまくっているとやってました。

何でもロシア人が北海道沖の海の中にいるタラバガニを、水産資源増やすために放ったらしいのですが、天敵がいないために増えまくったらしいです。

今はスウェーデン人の主食になってるとか。

 

これってこれからの地球の人口爆発による食料難を救うきっかけになると思いませんか?

 

名付けて、「美味しい食材を天敵いない場所に放って、パラダイス作戦」

 

ここで言う食料難とは、食べるものが無くなって餓死していくという意味合いではありません(エネルギー保存の法則からこれは考えにくい)。

私が言いたい食糧難とは、今まで食べられたものが今までと同じ値段で食べられなくなる、ということです。

 

日本食の美味しさに、海外の方々が気づいてしまって、伝統的な日本料理の原材料費が爆発的に上がってしまったのは記憶に新しいかと思います。

今後、色んな国が経済発展していって、なおかつ日本全体の国力が下がっていく中、日本食の色んな食材が高騰していくことが予想されます。

日本食美味しいですから。

お寿司とかね。

 

そこで!

美味しい食材(マグロとかカニとか)を天敵のいない場所に放って、増やしまくる作戦、題して

「美味しい食材を天敵いない場所に放って、パラダイス作戦」

を決行してみてはどうかと。

 

該当する条件は

①とにかく美味しい食材を選定

②天敵がいない場所に放つ

③繁殖能力が極めて高い

④草食(肉食でない)

 

①については説明不要。

マズい食材増やしても仕方がありません。

 

②も当然。

天敵がいる場所に放ったら、天敵に捕食されてしまい、天敵だけが増える可能性があって意味がない。

 

③も必須。

繁殖能力が低くて、中々増えない生物はこの作戦には向きません。

寄ってたかって狩られて終わりです。

 

④草食であること。

これが実は一番重要。

天敵がいない場所に放つわけですが、そいつ自信がとんでもない悪食だったら目も当てられません。

有名なのがブラックバス

彼は天敵がいない琵琶湖に心無い人が放ってしまったわけですが、悪食この上ない上に天敵がいなかったので、生態系がひっくり返ってしまうほど繁殖してしまいました。

しかもマズい。

一番最悪なパターンです。

 

天敵がいる場合、天敵自身が美味しければそこそこ行けるのですが、効率が悪い。

美味しい食材が餌になって天敵が増えても、1+1=1であまり意味がない。

 

それよりも、人間が食べられない食材(海藻とか草とかね)を美味しく食べて、すくすくと育つ食材が最も効率が良いわけです。

この意味で、牛とかは物凄いコストパフォーマンスが良いことがわかります。

草だけであんなに大きくなってくれるのは、人間にとってありがたいことこの上ない。

 

もちろん、草や海藻を主食とする生物が増えすぎたら、草関連の生態系が崩れる恐れがあるので、増えまくる前に人間が美味しくいただく必要があります。

この辺は試行錯誤を繰り返す必要があるでしょう。

 

というわけで、これから必ずやってくる食糧難(美味しい食材が適切な値段で気軽に飼入手できなくなる)時代に備えて、美味しい食材育てましょう。

 

 

ところで、話は変わりますが2016年の日本はやたらと山野での獣被害が報告されました。

熊、猪、鹿などなど。

これらの動物もすこぶる惜しいんですよね。

それぞれ日本国内では天敵がほとんどいません。

昔はニホンオオカミが天敵だったみたいですが、ニホンオオカミは絶滅してしまったので。

 

この中で、特に惜しいのが鹿。

奴らは滅茶苦茶繁殖能力が高いです。

産まれて一年以内に繁殖可能になります。

さらに草食。

熊や猪が増えすぎるとちょっと怖いですが、鹿が増えてもまあまあ怖くはないです。

畑や食物荒らされるのは怖いですが。

 

ただ、鹿はスタイルが良すぎて食べる部分が少ないが難点。

あと、動きが早いので中々仕留められないのも難点。

鹿刺しは非常に美味しいです。

 

熊、猪、鹿は日本人の経済活動の後退にあわせて増えすぎているので、これらの動物をやたらと増やしまくって、美味しく食す方法は今後考案していくべきかと。

 

では、今日はこの辺で。

 

長谷川豊アナがテレビ大阪の番組降板になって考えたこと

どんもっす。

 

フリーアナウンサーの長谷川豊さんがテレビ大阪を降板させられましたね…👇

テレビ大阪、長谷川豊アナの過激ブログで降板決定

 

事の経緯は、長谷川さんが自身のブログであまりにも過激な発言をしていたこと。

そしてそれが炎上してしまったこと。

 

私は長谷川さんのブログを読むのが好きで、毎回毎回楽しみに読んでました。

今回のような問題に発展してしまったのは非常に残念ですが、中にはやはり過激すぎる表現もあったので致し方ないことかも知れません。

 

今回の件、長谷川さんの主張を大まかに説明すると、

1.年々膨らみ続ける社会保障費はもう既に限界に達している

2.自業自得である人工透析患者については国が費用を負担すべきでない

 

これらに関する長谷川さんの主張&取材したことを世間に伝えるために、長谷川さんはあまりにも過激な表現を使っていました。

 

詳細は長谷川さんのブログである下記エントリあたりを参照してくださると良いかと。

医者の言うことを何年も無視し続けて自業自得で人工透析になった患者の費用まで全額国負担でなければいけないのか?今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!! : 長谷川豊 公式ブログ 『本気論 本音論』

 

で、今回の一連の件を横目で見ていて私なりに考えたことを記載しておきます。

 

 

①アナウンサーという言葉での伝達を生業としていたのに、やはり長谷川さんの表現は過激すぎた

長谷川さんのブログには度々、他人に対して「クズ」「馬鹿」「ゴミ」「殺せ!」などと言った過激な発言が出てきます。

やはりこれらの発言はあまりにも過激であったと言わざるを得ないでしょう。

 

長谷川さんがフリーで活動して、ブログを書いて世に主張しているのは、別に日本国民を馬鹿にしたい訳でもなんでもありません。

世間一般にはあまり知られていない事実を、長谷川さん自身の調査に基づいて広く周知し、そこに長谷川さんの見解を述べて、読者に、日本国民に自分たちで考えて欲しいだけなんです(と私は解釈しています)。

 

「日本はこのままではもうもたない」

「その理由は、これこれこれらの制度なり風習がはるか昔から変わらずに存在するから」

「皆さん、本当にこのままでいいんですか?」

と問うているわけです。

 

ネットなどで自身の意見を拡散させるためには、炎上が最も簡単です。

上記言葉を長谷川さんが炎上目的で使っていたのかどうかは知りません。

今回の炎上騒ぎで多くの方々が長谷川さんのブログ(コラム)に目を通したことでしょう。

しかし、炎上騒ぎのほとんどが当事者へのバッシングです。

つまり、長谷川さんの意見やブログに対して否定的な考えを持った方々による騒ぎなわけです。

 

長谷川さんのブログには確かな根拠が存在するし、その力強い物言いは確かに人々の心に響くかもしれません。

今回の件では、それがプラスでない可能性が極めて高い、ということです。

 

長谷川さんの書き方では、予期せぬ場所で敵を作ってしまう可能性が非常に高いです。

結果、今回は長谷川さんの言いたいことが1割も伝わらずにバッシングを受ける羽目になりました。

童話「北風と太陽」で北風は力づく、太陽は暖かい包容力で旅人の服を脱がしますが、長谷川さんの発言はまさに北風のそれです。

それでは多くの人間の心をプラス方向に揺さぶることはできません。

 

まさに、長谷川さんが自身のブログで言及しているように、「自業自得」の事態になってしまったわけです。

多くの方に、より強く伝えるための言葉が結果として、見る方々の心にバリアーを作ってしまったのは、やはり言い方がまずかったということでしょう。

 

 

②皆さん、他人の文章はきちんと読みましょう そして自分の頭で考えて、その上で主義主張 or 批判しましょう

人それぞれ考えがあるのだから、長谷川さんの考えに同調できないのは当たり前です。

それについては、なんの問題もありません。

 

しかし、長谷川さんのブログのコメントやYahoo!ニュースでのコメントを呼んでいると、きちんと文章を読まずに批判しているコメントばかり…

ちゃんと最初から最後まで読んでいれば、長谷川さんが主張したいことはわかるはずなのに、明らかに主張とは違う解釈をして、その点ばかり責めるようなコメントを必死こいてして…

 

全国腎臓病協議会から長谷川さんへ直接抗議がいったみたいですが、その内容もやはりブログをきちんと読んでおらず、主張をきちんと理解していない内容でした(抗議文は取り下げられたようです)。

全国腎臓病協議会からすれば、抗議したいのは当然でしょう。

私も同様の立場だったら、長谷川さんへ抗議していたかもしれません。

しかし、全国腎臓病協議会の抗議文は的を射ていないものでした。

恐らくは、ネットの騒ぎのみ(要は伝聞のみ)で、真偽を確かめずに抗議したのではないでしょうか。

 

何時から我々日本人はこんなにせせっこましくなったのでしょう。

何時から我々日本人はこんなに心の狭い国民になってしまったのでしょう。

何時から我々日本人は自分の頭で真偽を見極めきれなくなってしまったのでしょう。

 

理由はわかっています。

平均賃金は20年前から上がらず、少子高齢化は進む一方、人口も減少し始め、地方都市も国民も疲弊しきっている。

これでは、心が狭くなって当然です。

 

そうなってしまった原因は、長谷川さんのブログで事細かに説明されています。

そうなってしまった日本の構造について説明されています。

それら全てが正しいことではないでしょう。

それでも、長谷川さんはいち日本人として、警鐘をならして国民に問うています。

このままでいいのか?と。

 

それを、少々言葉遣いが過激だからと言って、最後まで文章を読むこともせず、騒ぎに便乗して気にくわないからという理由だけで叩いてしまって良いのでしょうか?

 

長谷川さんのやり方や主張が全て正しいとは言いません。

でも、長谷川さんは正しいことをやろうとしている。

そういう人間をやたらめったら叩いてお終い! で本当に良いんでしょうか?

 

批判は当然あります。

全て同調できるわけはありません。

しかし、批判するのであれば、きちんとブログを読んで、自分の主義主張を含めた、次に繋がるような批判をしましょう。

問題提起をした人間を叩いて終わり! では、甘い蜜を吸い続けている本当に倒すべき相手が得するだけです。

 

世の中、面白くないこと多いです。

だからといって、長谷川さんのような方を叩いて鬱憤晴らしをしていたのでは、本当にこの世の中を面白くなくしてしまった奴らが得をするだけです。

日本国民一人一人が真剣に考える時期に来ているのだと思います。

 

 

③今回の人工透析についての私の考え

最後に、今回騒ぎになった人工透析患者の負担についての私の考え。

 

長谷川さんの主張は、医者のいうことも聞かずに自堕落な生活を送ってきた自業自得な患者の分を社会保障費で賄う必要はない、なぜなら増加の一途をたどる社会保障費が持たないから、というものです。

 

要は、

①全員で仲良く貧乏になって、ゆっくりと死んでいくか

②自業自得と思われる人を切り捨てて、助けられる人間だけを助けるか

 

ということについて、長谷川さんの主張は②ということです。

これについては… 本当に難しい。

私も②の方でした。

皆で仲良く死ぬくらいなら、自助努力をしている人、先天的なものである人などを助けられるだけ助けて、自業自得と思われる人は切り捨てる…

 

しかし、長谷川さんのブログのコメントに以下のようなものを見つけました。

皆が皆、自業自得と言えるわけではない。

昔は必死こいて仕事していたが、ストレスなどにより働けなくなってしまった人は大勢いる。

そのような人たちが、精神的に病んでしまって自堕落な生活を送り、挙句に病院や社会福祉のお世話になることは不思議でもなんでもない。

そしてそれは全ての人間に起こりうる。

 

そうなんです。

人間って凄い弱い生き物なんです。

何時自分が精神を病んでしまって、同じような状態に陥るかはわかりません。

こればっかりは誰にもわからないんです。

自分が同じ状態に陥ったときに、同じようなことが言えるか…。

上記②の考えは明らかに、社会的強者の目線で話していることです。

しかし、世の中には決して自業自得ではないのに、他人から見たら自業自得としか言えないような状態に陥っている人もいる…。

こればっかりは、その人の人生全てとそれを取り巻いていた環境を振り返ってみないとわからないんです。

 

今回の件に限らず、例えば成人になって犯罪を犯す人々に対して、あるいは道を外す人々にとって、その方々の幼少期が原因でないとは誰にも断言できません。

でも、幼少期に自分を取り巻く環境なんてほとんどどうしようもないでしょう。

その場合も自業自得なのでしょうか。

 

これらのことを考えると、自業自得だから、と言う理由で切り捨ててしまうのは、やはり違うような気がします。

このことについて、色々と考えてはみたのですが、解はでませんでした。

 

ただ、ずっと考えていきたいと思います。

解のない問題をずっと考え続けていると、いつかその問題に直面した時に色んな行動がとれるからと信じているからです。

 

最後に、

長谷川さん、負けるな! 長谷川さん、頑張れ~!

 

わらしべ長者の悔恨 本当は「怖い」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその③

わらしべ長者がリアルにいたら多分こんな感じ👇

 

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オッス、オイラわらしべ長者

 

オイラは超有名らしいから、オイラのエピソードを知らない人はいないと思うけど、念のため。

最初に手にしたワラを物々交換していって最後は大金持ちになるっていう有名な物語だ。

最初に言っておく。

あれ完全に出来レースだから。

現実にはそんな上手い話しはないってことを今日は伝えに来たんだ。

今日のオイラの話を聞いて、誤解を解きつつ目を覚ましてくれると嬉しい。

 

大体からして、物々交換ってのは等価交換のみ成り立つんだ。

つまり、価値が同じもの同士の物のみ交換可能ってこと。

この理屈で行けば、最初に手に入れたワラ(虫のアブ付き)と最後に手に入れた屋敷が等価値ってことになる。

常識的に考えてそんな訳ないだろ?

そりゃあ貨幣というものがなかった大昔は、強引な物々交換が可能だったわけだ。

野菜とお米を交換したり、食物の代わりに大工仕事をしたり、ってね。

でも、今は21世紀。

物と物の交換ではなく、基本的には物と貨幣の交換だ。

つまり大昔のように、物の価値を基本的には誤魔化せないってこと。

片方が一方的に損をする物々交換は今の世の中ではほとんど成り立たないんだ。

これは絶対に忘れちゃいけない。

 

前置きが長くなった。

そろそろオイラのエピソードを振り返りつつ、真相を明かしたいと思う。

 

あの日、オイラは観音様に願掛けに行ったんだ。

あまりにも貧乏で、日々の食にも困る有様だったから。

今冷静に考えれば、観音様にお願いに行くなんて当時のオイラも世間知らずなもんだ。

今なら迷わずハローワークに直行だ。

もしくは市の福祉課だね。

とにかく、この時の行動は悔やんでも悔やみきれない。

 

願掛けに行ったら、「初めに触ったものを大事に持って旅に出ろ」っていう観音様のお告げがあったんだ。

うさん臭さ満載だろ?

観音様なんている訳がない。

ましてやお告げがあるわけがない。

それでも当時のオイラはその言葉を信じて、ワラを持って旅に出た。

ホント、オイラもまだまだ青いよな…。

そんな言葉を信じて旅に出るなんて。

 

なんでワラかって?

観音堂から出たときに、石につまづいてうっかり手にしたのがワラだったのさ。

これにはさすがに向こうも焦ったはず。

ちっ! っていう舌打ちが聞こえたし。

え? 舌打ちしたのは誰だって?

…あ、いやこっちの話。

 

で、歩いていると顔の周りをアブが飛んでいたから、とっ捕まえてワラの先に結んでやったんだ。

ペットみたいで少し面白かった。

その瞬間、

「よっしゃ!」

とか

「これで何とかなる!」

って声がどこからともなく聞こえてきたんだ。

え? 声の主は誰だって?

…あ、いやこっちの話。

 

ここまでは完全に偶然だ。

ここから先が完全に出来レース

要はここから先は筋書きがあったってことだ。

 

しばらく歩いていると、大泣きしている男の子がいたんだ。

オイラのアブ付きのワラを見て、面白がって、欲しいとねだってきた。

観音様のお告げを破ることになるから、できれば交換したくなかったんだけど。

どうしたものかと思案していると、母親が、持っているみかんと交換していただけないかと懇願してきた。

「どうかどうか、このみかんとそのアブ付きのワラの交換をおおおぉぉおおぉぉおおをおおぉぉぉん!!」

あまりの剣幕に思わずたじろぎ、言われるがままにアブ付きのワラとみかんを交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

物々交換した瞬間、母親の目がギラリと光った気がした。

後から考えると、気のせいじゃなかったんだ。

どこからともなく、

「うきゃきゃきゃきゃ!」

っていう心底楽しそうな声も聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…ああ、いやいやこっちの話。

 

もうこの時点で設定が破たんしてるだろ?

だって、最初に手に入れたものを大事に持って旅に出ろ、って言われて1時間もしないうちに手にしたワラを手放してるんだもの。

こんなんで幸せになれる訳がない。

でも、オイラは良いことしたから清々しい気持ちになってたんだ。

人を疑うってことを、当時のオイラはまだ知らなかったから…。

今にして思えば、あの子供も無理やり母親に泣かされていたんじゃなかろうか。

体のどこかをつねられたりして…。

そう言えば、妙に赤くなったほっぺたを押さえていたな…。

はは、まさかね…。

オイラの考え過ぎであることを祈ろう。

 

観音様のお告げは守れなかったなぁと思いながら、みかんをお手玉しながら歩いていると、今度は喉の渇きを訴える商人に出会ったんだ。

あまりにも喉が渇いていたらしく、商人の持っていた上等な反物とオイラの持っていたみかんとの交換をお願いしてきた。

いよいよ怪しいだろ?

当時の反物は相当な高級品だ。

現代で言えば、ちょっとしたバイクくらいの価値がある。

それとみかんの交換だ。

どう考えてもおかしい。

大体からして、商人が旅をするのに川の位置を知らないはずがない。

生き死にに直結するから、水や食料の調達場所は調べてあるはずなんだ。

初めて訪れる場所でもないだろうし。

山賊にあったならまだしも、普通に計画不足で行き倒れている商人なんて見たことも聞いたこともない。

しかもしかも、その時は雨が降っていたんだ。

そのことを突っ込もうとすると、大声でかき消された。

「え? でも今雨降ってるから、それで潤せば…」

「喉が渇いて渇いて仕方ないんですよぉおぉおぉぉお!! そのみかんをくださいいぃぃぃいぃいいいぃいーっひっひっひっひっひひひのひ!!」

あまりの剣幕に思わずたじろぎ、言われるがままにみかんと反物を交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

物々交換した瞬間、その商人はニヤリと笑ったんだ。

確かに笑った!

ってか、そんなに喉がカラカラならみかん一つでは足りないだろうに。

薄気味悪かったからその場から離れようとすると、商人は水を得た魚のように走り去っていった。

超元気じゃん。

どこからともなく、

「ぷひひひひ!」

っていう心底嬉しそうな声も聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…ああ、いやいやこっちの話。

 

なんか変だなぁと思いながら歩いていると、今度は侍に出会ったんだ。

その侍は愛馬が急病で倒れてしまったんだけど、急いでいるために馬を見捨てなければならない、と言ってきた。

そして案の定、反物と馬との交換を申し出てきた。

病気にかかった馬と上等な反物とを交換するのは非常に心苦しいが…って言ってたけど、病気さえ治れば馬は超高級品だ。

現代で言えば、ちょっとした高級車くらいの価値がある。

病気にかかったとはいえ、元気になれば物凄い価値になる。

願ってもない話だ。

…というか、当の馬は元気に走り回っている。

どう見ても病気には見えない。

「え? でも、元気に走り回っている気が…」

とオイラが言い終わる前に、

「ああいう病気なんだ。走り回ってないと死ぬ。そういう病気なんだよ、あれは。な? そうだろ?」

と言うが早いか、オイラの喉元に刀を突きつけてきた!

ヤバい、目がマジだ!

若干ヨダレも垂らしている!

すげえ、くせえ!

なすすべもなく、言われるがままに反物と馬を交換したんだ、いや、交換させられたといった方が正しい。

交換した馬に水を飲ませたら大人しくなった。

喉が渇いていただけか。

馬なんていう高級品を手に入れたにもかかわらず、オイラの心はもやもやしていた。

今後何が出てくるんだろう?

どこからともなく、

「@:#$%¥*+;&?!」

っていう文字では到底表せない、わめき声のようなのも聞こえたし。

え? 声の主は誰だって?

…いや、ほんとにこっちの話。

 

んで、仕方ないから馬に乗ってパカランパカランしてたら、屋敷にぶち当たった。

ちょうど?旅に出ようとした主人が、屋敷の留守を頼んできて、代わりに馬を借りたいとか言ってきた。

「え? これから旅に出ようというのに、馬も用意してなかったんですか…?」

とツッコんだら、

「…………………………………………………………………………………」

と無言で詰め寄られた。

期せずして見ず知らずのおっさんと見つめ合うこと5分、ついにオイラが折れてしまった。

そう、屋敷と馬を交換させられた。

主人は、旅から帰ってこなかったら屋敷をオイラに譲ると言い出した。

…これ絶対帰ってこないパターンだよ。

案の定、主人は帰ってこなかった。

永遠に。

 

どこからともなく、

「作戦完了」

っていう声が聞こえた。

え? 声の主は誰だって?

…そうだね、ここまで言ったら正体を明かさないといけないね。

 

声の主は、オイラが最初に訪れた観音堂の住職だ。

生臭坊主だ。

全てはこいつが仕組んだことだったんだ。

 

どういうことかって?

説明しよう。

あれから、オイラが住みはじめた屋敷にはひっきりなしに人が訪れた。

皆同じことを聞いてきたんだ。

「観音堂でお祈りしたら、屋敷が手に入ったって?」

 「え、ええ。そうですけど…」

 決してオイラは嘘は言ってない。

だって本当のことだもの。

 

それからというもの、あの観音堂には日本各地から人が訪れた。

当時は、ネットも電話もない時代だ。

人々の信仰心というものは今とは比較にならない。

噂を聞いた人々が、自分もあやかろうとして願掛けにやってきたのだ。

そしてその人々が収めるお賽銭の額がまた尋常じゃなかった。

現代の価値で言えば、軽く兆は超えていた。

 

これでわかったろ?

全ては、自分のお堂の評判を広めるために、お堂の生臭坊主が仕組んだことだったんだ。

オイラが途中出会った人々は、賽銭を握らされていたんだ。

だから皆あんなに必死になって、物々交換を申し出たんだ。

全ては生臭坊主のシナリオどおりだった。

一つだけ誤算があったとすれば、オイラが最初に掴んだものがワラだったこと。

いくら何でも、ワラとの物々交換は不可能だ。

だってそこら中にあるもの。

…まあそれでも彼らなら強引に交換をせまってきそうだけど。

だから、オイラがアブをワラの先につけなかったら、こうはなってなかったかも知れない。

 

え? 屋敷も手に入ったのに、なんで後悔しているのかって?

一人だけ消息不明な人がいるだろ?

そう、屋敷の主人だ。

彼が帰ってきてしまったら、オイラは屋敷から出ないといけない。

そうすると元の通り、無一文だ。

となると、観音堂のご利益は嘘っぱちってことになる。

屋敷の主人に幾ら握らせたのかは知らないけど…でも、人の心なんていつ変わるかわからないだろ?

 

屋敷の主人が永遠に帰ってこないようにするには?

そういうことだ。

但し、これはあくまでオイラの推測だ。

オイラのこの推測が間違っていることを夙に願ってやまない。

 

とにもかくにも、上手い話はその辺に転がってないってことだ。

人間、真面目に働くのが一番だ。

皆、肝に銘じておいてほしい。

 

さ、そろそろハローワークに行かなくちゃ。

 

かぐや姫の冷笑 本当は「黒い」竹取物語

どんもっす。

日本昔話シリーズその②

かぐや姫がリアルにいたら、多分こんな感じ👇

 

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どうも、初めまして。

ワタクシ、かぐやと申します。

はい、竹取物語かぐや姫として紹介されている者です。

 

なんでも、竹取物語は日本最古の物語と伝えられ、「物語の祖(おや)」と言われているのだとか。

そのかいあって、ワタクシ日本中に名が知れ渡っていると自負しております。

そうそう、あの桃太郎様と同様に。

 

桃太郎様と言えば、あのお方は桃からお産まれになったとか。

それで桃太郎とはなんと安直なネーミングでしょうか。

 

ええ、皆さまご存知の通り、ワタクシは竹から産まれました。

桃太郎様と同様の命名ルールであれば、ワタクシ「竹子」になっていてもおかしくありませんでした。

この点については、ワタクシを見つけてくださった翁と媼に大変感謝しております。

「かぐや」

なんと素晴らしいセンスでしょうか。

現代でも十分に通用しそうなセンスに心の底から感謝しております。

もしも「竹子」というなんのヒネリもない名前を付けられていたかと思うと…ぞっといたしますわ。

そう言えば、お聞きしたところによりますと現代ではキラキラネーム?というものが流行っているのだとか。

何時の時代も名前というものは親も子も頭を悩まされるものなのだと実感しております。

 

それにしても桃太郎て。

なんて安直、ぷぷっ。

…失礼いたしました。

 

ワタクシの昔話を少しさせていただきます。

あれは、ワタクシが翁と媼に拾われて数か月が経った頃でしょうか。

絶世の美女という噂を聞きつけて、五人もの殿方が次々と求婚してきたのは。

ええ、ええ。

大変厚かましい方々だったと記憶しています。

このワタクシに求婚するなんて…

鏡を見たことがあるのかしら。

ああ、あの時代はありませんでしたわね、鏡。

水たまりに写った自分の顔を見たことがないのでしょうか。

 

はい、ワタクシ全くお仕えする気はありませんでしたので、それぞれの殿方に無理難題を出させていただきました。

「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布」「龍の首の珠」「燕の産んだ子安貝」を見つけてくることができれば、求婚にお応えいたします、と。

お題を出したワタクシでさえ引いてしまうような、何が何だかわからない物を探しに、皆さま旅立たれました。

どこにあるのか、そもそも本当に存在するのかどうかわからない物を探すために、命の保証もない旅に…。

そんなにワタクシとエッチなことをしたかったのでしょうか。

殿方の欲望とは本当に業が深いものでございます。

 

はい、折角ですからワタクシが出した無理難題を一つ一つ紹介したいと思います。

少しだけお付き合いくださいませ。

 

最初は石作皇子にお願いした「仏の御石の鉢」でございます。

これはお釈迦様が終身使用していた鉢です。

お釈迦さまは実在したみたいですので、これが一番入手できる可能性が高かった物ではないでしょうか。

しかし、お釈迦様がいたのはインド。

ここは遠い日本。

あの時代に無事にインドまで行って帰ってくるのはほぼ不可能でございます。

仮に本物の鉢を持って帰って来たとしても、お釈迦様の物だと証明できなければ何も意味がありません。

どうやってお釈迦様の物だと証明するのでしょう?

あの時代、DNA鑑定もないのに?

案の定、石作皇子はどこぞの偽物の鉢を持って帰ってきましたので、突っ返してやりました。

このお方は諦めが悪く、何度も言い寄ってきましたので本当に気持ちが悪うございました。

え? どうして偽物だとわかったのかって?

簡単でございます。

私が認めなければ、例え本物であってもそれは偽物です。

 

車持皇子にお願いしましたのは「蓬莱の玉の枝」でございます。

これはもう存在そのものが怪しいものでございます。

蓬莱の玉の枝とは、根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝となっています。

こんなもの、あるわけがないではないですか。

現代風にいうと、「ダイヤモンドの指輪の木」を探すようなものです。

案の定、車持皇子は良く似せた偽物を持ってきましたが、ワタクシの目は誤魔化せません。

突っ返してやりました。

あのお方は、その偽物の玉の枝を作るために協力してくれた職人の方々に報酬を払っておらず、あの後フルボッコにされたとか。

いい気味でございます。

え? どうして偽物だとわかったのかって?

簡単でございます。

私が認めなければ、例え本物であってもそれは偽物です。

 

右大臣阿倍御主人にお願いしましたのは「火鼠の裘(かわごろも、焼いても燃えない布」でございます。

右大臣阿倍御主人も偽物を持ってきていましたね。

火をつけてやったら、ものの見事に燃え尽きてしまいました。

あの時の、右大臣阿倍御主人の顔ときたら。

傑作でございました。

皆さまにもお見せしたかったですわ。

え? もしも燃えなかったらどうしたのかって?

愚問でございます。

私が認めなければ、例え本物であってもそれは偽物です。

 

大納言大伴御行にお願いしたのは「龍の首の珠」でございます。

この殿方が一番笑わせてくださいました。

そもそも、龍なんて空想上の生物なのに…。

龍が首のところに隠し持っている神秘の宝玉なんて存在するはずがありません。

聞くところによると、船が難破してさらに重病にかかられたとか。

ワタクシ、それを聞いたときは腹を抱えて笑いました。

欲望とはかくも醜いものでございます。

え? もしもそれらしい宝玉を持ってきたらどうしたのかって?

しつこいお方ですね、あなたも。

何度も言わせないでください。

私が認めなければ、例え本物であってもそれは偽物です。

 

最後は中納言石上麻呂にお願いした「燕の産んだ子安貝」でございます。

これも現実にはあり得ない代物です。

そもそも燕が貝などを産むわけがありません。

この殿方は転落して腰を打ち、病床にふせっておりましたが、あえなくお亡くなりになりました。

ワタクシとエッチなことをしたいがために、命まで捨ててしまわれる殿方。

ゾクゾクしますわ。

え? 口伝によるとワタクシが心を痛めたとあると?

そんな訳がないでしょう。

全ての難題は命がけのものです。

むしろ、全員命を落とすように設定したものです。

五体満足で帰って来られた殿方には心底がっかりさせられましたわ。

 

そんなワタクシの美しさの噂が伝わったのでしょう。

帝が一目お会いしたいと仰り、遣いの者をよこしました。

この殿方は、上の殿方たちに輪をかけて厚かましいお方でございます。

このワタクシを呼びつけるとは…。

何様のつもりでしょうか。

自分で足も運ばず、下人を遣わすとはこれ以上ない侮辱でございます。

もちろんお断りいたしました。

 

そうすると今度は翁経由でお願いしてきました。

あまりの厚かましさにほとほと困り果てていたところでございます。

翁も翁です。

ワタクシが嫌がっていたのはご存知のはずだったのに、官位をもらえるということで、あろうことかワタクシを差し出そうとしました。

全く持って恥知らずな行動でございます。

地位の為に、娘同然に育てた私を売るとは…。

 

それでも私はお会いしませんでした。

そんな二人の間に交わされた約束など、ワタクシの知ったことではありません。

それで翁が罰せられるとしたら、自業自得というものでございます。

翁には

「私を帝に差し出すのであれば、ワタクシは消え失せます」

とお伝えしたところ、真っ青な顔をして震えておりました。

地位欲しさに娘を売る人間の性根など、この程度のものです。

 

それからというもの、帝はワタクシの家まで来てちょろちょろとワタクシの様子を嗅ぎ回るようになりました。

今でいうストーカーのようなものでしょうか。

もうワタクシ本当に気味が悪くて…。

そこまでしてワタクシとエッチなことがしたいのかと、半ば呆れてもいました。

 

事ここに至ると、ワタクシはもう地球に留まるつもりはありませんでした。

帝のストーキングは気持ち悪いし、翁は信用ならないし…。

月に帰る決心をしたのです。

はい、ワタクシは月の住人でございます。

地球のものではございません。

そもそも、竹から人間が産まれるなんておかしな話でしょう。

元々地球へは観光目的で訪れたのでした。

それが、色んな殿方がアプローチしてくるのがあまりにも面白くて、からかいついでに滞在時間を延ばしていたのですが…。

もう限界を感じ、月にお迎えのお願いをしたのです。

はっきり言えば、飽きました。

 

そうそう、月の使者が来たときも、皆さん笑わせてくれました。

絶対に勝てないと伝えたのに、私を連れて行かせまいとして必死に抵抗する地球軍。

そのおマヌケなお姿をしっかりと心のファインダーに記憶させていただきました。

お蔭様で、月に帰った後しばらくは話のネタには尽きませんでした。

ですので、地球の皆様には本当に感謝しています。

今回、こうしたインタビューに応じたのもそういう事情からでございます。

 

え? 私が腹黒い?

御冗談でしょう。

ワタクシはオープンでございます。

陰険でもなんでもなく、ストレートにお伝えしております。

自分の分もわきまえない、分相応に生きることができない困ったおバカな殿方が本当に多い…それだけのお話でございます。

 

今回こうして久しぶりに地球を訪れましたので、また楽しませていただこうかと思っております。

どんな無理難題を出しましょうか。

今からゾクゾクしてますわ。

 

え? 今の地球の科学力なら精巧なものを作れるって?

そうかも知れませんね。

地球の科学の進歩の速さには本当に感嘆しております。

例えば、火鼠の裘に似せて、燃えない布くらい作ってしまわれるかもしれませんね。

そのときは、その布を太陽に向けて射出するだけでございます。

それでも燃え尽きないかどうか、見物ですわ。

 

それで燃え尽きなかったら?

あるいは精巧に作った燕の子安貝を持ってきたらどうするのか、ですって?

何度も言わせないでくださいな。

私が認めなければ、例え本物であってもそれは偽物です。

 

おほほほほ。

それでは、ごきげんよう

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他にもこんな作品書いてます👇

桃太郎の憂鬱 本当は「ない」日本昔話 - シャア専用ねこのブログ

わらしべ長者の悔恨 本当は「怖い」日本昔話 - シャア専用ねこのブログ

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桃太郎の憂鬱 本当は「ない」日本昔話

どんもっす。

日本昔話シリーズその①

リアルに桃太郎がいたら…多分こんな感じ👇

 

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え、オレ?

オレはアレよ。

桃太郎よ。

 

そうそう、日本三大太郎の一人。

浦島太郎、金太郎、あと一人がオレね、桃太郎。

オレらなんか有名らしいね。

日本昔話として先祖代々語り継がれてるらしいし。

日本でオレらのこと知らん人間いないみたいだし。

 

オレのエピソード知ってる?

そうそう、イヌ、サル、キジ連れて鬼退治に行ったのね。

 

いや、マジねーわ。

この世界観。

色々ひっくるめて一言でいうと、ない、絶対ない。

この世界観は、ないわ。

 

何がないってオレが人間かどうかが疑わしい点が一番ないわ。

つまり、オレが一番ありえないってことよ。

言ってしまえば。

 

知ってる?

オレ桃から産まれたんだぜ。

違う違う、そんな下ネタ的な意味じゃなくて。

リアルにフルーツの桃から。

ありえなくね?

割と最近まで、オレそれが普通だと思ってたからね。

え? それがおかしいってどうやって知ったのかって?

ネットよ、ネット。

Google先生

ネットマジすげーわ。

調べたら何でも知りたいことわかるね、これ。

まあ、どんなサイト見てたのかは推して知るべし。

とにかく、オレが異常中の異常、稀有中の稀有ということを知ってしまったわけ。

 

何をどうやったら桃から人間が産まれるんだよ。

ってか、本当にオレ人間なの?

生物学的には何動物に当たるわけ?

冗談抜きで、オレの子どもが産まれたらリアル桃の可能性あるからね。

ワンチャンあるよ、マジマジ。

 

桃から産まれたももたろう~! から産まれた立派な桃~! って言うてる場合か! 

引くわ~、マジで引く。

自分の出生にドン引きできる奴、何人いるよ?って話。

 

考えてみ?

今から食おうとしてた桃から赤ちゃん産まれたら? ドン引きでしょ、マジで。

いや、桃でも柿でも梨でも西瓜でもなんでもいいんだけどよ。

どうするよ、その赤ちゃん。

普通に育てるとか絶対にないっしょ?

まず普通に警察か保健所行くわ。

でも、桃切ったら赤ちゃん出てきたんですけど…とか言っても誰も信じてくれない訳よ。

どうすんの? 赤ちゃん。

捨てる?

人としてその選択肢はないよね。

 

オレを拾ってくれたジジイとババアは、オレを普通に育ててくれたんだけどよ。

その点はマジ感謝してるわ。

ま、でもやっぱりオレの存在自体がずっと薄気味悪かったんだろうね。

成人するや否や、鬼退治の旅ヘでろ!ってさ。

あり得なくね?

本当に可愛い息子や娘だったら、絶対に鬼退治なんか行かせねーだろ。

正味の話。

 

え? 

鬼退治は自分から志願して行ったんじゃないかって?

それ多分ジジイやババアが村人に嘘ついたんだと思うよ。

昔話なんて所詮は口伝だからね。

伝える人によっていくらでも捻じ曲げて伝えられるのよ、言ってしまえば。

 

そら嘘つくよ。

だって普通に大事に育ててた息子を、いきなり鬼退治に行かせる鬼のような親がどこの世界にいるって話よ。

そうでしょ?

それこそ、リアルな鬼と、息子に鬼退治に行かせるジジイとババアのどっちが鬼だよ、そんなもん、ちゅう話よ。

人の心の醜い部分にこそ本当の鬼が住んでいました! って上手いこと言うてる場合か。

とにかくそんなことしたらジジイもババアも非難囂々、あっちゅうまに村八分よ。

村だけに! ってやかましいわ。

そらー嘘つくしかないっすわ。

 

桃から産まれた奇想天外、摩訶不思議以外の何者でもないオレをここまで育ててくれたから、そのことについては別にいいわけ。

オレもちょっとはジジイババア孝行してーな、とは思ってたし。

鬼退治上手くいったら、箔がつくなってちょっといやらしい考えもあったし。

 

でも、餞別の品がきびだんごオンリーってどーなのよ。

これでジジイもババアもなくなったわ。

マジでない。

ありえねー。

 

言っとくけどオレずっと、じいちゃんばあちゃん、ってちゃんと親しみと敬意を込めて呼んでたからね?

ジジイババア呼ばわりしだしたのはきびだんごもらってからよ、正味の話。

これでどうしろと?

言っとくけど鬼には何の効果もないからね。

ぶつけて、ちょっと不快にさせるくらいの効果しかないからね。

目潰し?

んなコントロール持ってねーよ。

 

ドラ〇もんの「桃太郎印のきびだんご」ってあるやん?

あれはオレのエピソードありきの道具だからね。

オレがもらったのは、単なるきびだんごだから。

あんなチートな道具と一緒にしてもらったら困るわ。

ってか、そもそもあれ漫画の話だから。

現実世界はそんなに甘くないわ。

 

え、刀?

ないない、それだけはマジでない(笑)。

www。

↑あ、これネットで知った笑いの表現法。

便利だね。

 

銃刀法違反って知ってる?

訳もなく刀持ち歩いてうろついてたら、普通に捕まるからね?

持って歩けるわけねーだろ、刀。

アホなの?

死ぬの?

 

鬼退治に行くから、とかそんな訳わからん理由で誤魔化せるほど警察馬鹿じゃないんだよ。

言っとくけど、日本の警察は超優秀よ?

 

というわけで、仕方なくきびだんご持って鬼退治の旅に出たわけよ。

仕方なーく。

で、旅の途中でイヌ、サル、キジにきびだんご上げたらお伴になってくれたのよ。

これは嬉しかった。

もう涙がちょちょぎれるくらい。

 

正直、戦闘には何の役にもたたんよ、こんな奴ら。

念のため言っとくけど、相手鬼よ?

百歩譲ってイヌはまだしも、サルやキジは如何ともしがたいのよ。

引っ搔きとか突っつきでダメージ通るわけないし。

突っつきで目潰し?

そりゃ相手が棒立ちだったらね。

相手反撃してくるからね。

 

ただ、一人の心細い旅に付いてきてくれるのはありがたかったね。

これは本当に助かった。

 

そうそうその質問、凄いされる。

なんでイヌ、サル、キジなの?って。

そりゃ常識的に考えたら鬼退治にこいつらはないよ、ないない。

戦力的な意味で言えば、マウンテンゴリラとかアフリカゾウ、シベリアトラ、グリズリー、チーター、ライオン… この辺でしょ、どう考えても。

でもまあ、冷静に考えたら、マウンテンゴリラの群れなんて連れてった日にゃ、どっちが鬼かわかりゃしねえよ。

鬼退治したあと、ゴリラの群れどう処理すんのよ。

バナナで釣るか?

 

それはさておき、ここは日本。

どういう意味か分かる?

 

ご名答。

イヌ、サル、キジしかいなかったのよ。

正確にはノライヌ、ノラザル、ノラキジね。

ゴリラやらゾウやらの超強力な動物がノラでいないのよ。

つまり舞台が日本って時点で、ないわけ。

マジありえねー。

 

野山に入れば、シカ、ツキノワグマ、イノシシくらいはいるよ。

そりゃあね。

ただ、こいつらとは中々エンカウントできねーのよ。

ゴリラやトラだったら、こっちも真剣に探そうという気になるけどね。

イヌに毛が生えた程度の戦力の為に、わざわざ山に出向かねーっちゅう話よ。

わかるっしょ?

日本でこの設定、マジでないわ。

 

そんなこんなで、イヌ、サル、キジ3号と一緒に鬼ヶ島に渡ったわけよ。

え? キジ3号ってなんだって?

3代目よ、3代目。

初代と2号機は鍋よ、鍋。

キジ鍋。

毎日毎日きびだんごばかりだとさすがに飽きるからね。

 

いやいや、人聞きの悪い。

初代と2号機は腹減ったから、キジ鍋にしたわけじゃないよ?

普通にノラネコにやられたからね、あいつら。

やっぱ、キジないわ。

弱すぎwww。

仕方ないから鍋にして供養してやったよ。

いやいや、埋葬だけはないわ。

この時代、栄養源が少ないからね。

食べられるときに食べておく、これ基本ね。

 

なんやかんやで着いたよ、鬼ヶ島。

まんまなネーミング(笑)。

ないわー。

 

鬼?

うじゃうじゃ居たね。

何匹かは知らんよ。

数える余裕ねーし。

種類?種族?も結構いたよ。

赤鬼、青鬼、黄鬼、子どもの鬼から老人の鬼、一本の角の奴もいれば、二本の角の奴も。

鬼って一口に言っても色々あるんだな、ってこんとき思ったね。

百聞は一見に如かずとはこのことよ。

 

ってか、この鬼がまたないわ。

オレと同レベルでありえねぇ。

オレも鬼も一番ないわ。

冷静に考えて、鬼って何よ?

何動物?

どっから発生したん?

二足歩行で、角生えて、金棒持って、でも知性低いっておかしくね?

二足歩行してる時点で知能があるはずだから、絶対話し合いが通じる相手のはずなのよ。

 

ってなわけで、いきなり戦闘ふっかけるのも何だったから話し合いしてみることにした。

通じた。

案外良い奴らだった。

 

ありだわ。

鬼。

全然ありありだったわ。

 

話聞いたら、別に悪いこと何もしてないのに親の仇のように追い回されたんだと。

で、この鬼ヶ島(笑)でひっそりと暮らしてたのに、それすらも人間は許さなかったと。

 

ないわー。

やっぱ人間ないわ。

 

オレも桃星人だから。

鬼の言い分は痛いほどわかんのよ。

人間って、自分たちの都合のいいように他人に勝手にレッテル貼って勝手に悪者扱いするからね、平気で。

 

鬼と仲良くなったんで鬼退治は止めて、代わりに退治したことにしておくから、この鬼ヶ島(笑)でずっと暮らすこと勧めておいたのよ。

鬼が滅びたとなれば、こんな辺境の島にわざわざ来る人間、いないっしょ。

この島で自給自足するのは大変そうだったけどね。

 

で、オレが勝手に決めたことなのに、なぜかやたらと感謝されて宝物一杯くれたのよ。

別にいらないんだけど。

どうせジジイとババアに取られるだろうし。

鬼には使い道がないから、ってんで持って帰って欲しいんだと。

仕方ないから持って帰ったけどね。

案の定ジジイとババアに持ってかれたわ。

 

ありえねー。

マジないわ。

 

一番ないと思ってた鬼が一番アリだった。

 

ま、そんなこんなで、噂や見た目で人を判断するのはまずいっつーこった。

そんなオレの、鬼退治の話。

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